『2020年の挑戦』『変身』『鳥を見た』巨大化の原点【ウルトラQ】

ウルトラシリーズの記念すべき第一弾【ウルトラQ】日本における怪獣特撮、特撮ヒーローや怪獣宇宙人の原型を作りました。
外国から見て、まあ普通に科学的に見ても、どうも日本の特撮の変な面に、質量保存の法則など無視して『突然巨大化する』ところがあります。なにしろほとんどの宇宙人のプロフィールが身長2メートル~40メートル、体重100キロ~2万5千トンとかなのである。これは成長とか、個体差でなく、一人が突然自分の意志等で巨大化する。周りの空気から元素ごと取り込むとかの無理な後付もされるが、突然変異とかではなくいきなりの巨大化するのです。
第12話 過去から来た幽霊船に棲む文鳥?が巨大化する『鳥を見た』
第19話、ケムール人の登場する『2020年の挑戦』
第22話、モルフォ蝶に巨人化される男の話『変身』
ケムール人の疾走は何だかトラウマになりそうな怖さでした。今年がその2020年ですが、2020年のお話しではなく、肉体の衰えた2020年に時間のケムールという怪物(宇宙人ではなく未来人説もあり)が地球の若い肉体をゼリー状に溶かして奪いにくるようなお話しです。
そのケムール人が警官の攻撃で一時倒れ死んだかに見えるのですが、1.9メートルからいきなり30メートルの身長に巨大化します。
これが最初と思っていたらその前の第12話『鳥を見た』のラルゲリウスという怪鳥の巨大化が怪獣巨大化の始まりでした。
宇宙人?の巨大化がケムール、人間の巨大化が22話の【巨人】です。
巨大化は映像的インパクトがあり、怖さや絶望的なまでのスリルを見るものに与えますが、過食や放射能、薬の影響などで徐々に巨大化するならまだしも、いきなりは少しご都合主義を感じますが、これがウルトラマン巨大化の元なのです。
究極の変身願望が巨人化なのでしょうか。『変身』は巨人になっても恋人を追い続ける女性の切なさも描かれますし、そのイメージはまさに数十年を経て漫画やアニメで超有名な巨人につながるような気がします。
蝶が集まって何で人を巨大化する毒を出すのかは不思議です。ラルゲリウスの檻や籠をぶち破る巨大化も、食事もしないのになぜか、全く大きくなれる理由は不明。ツッコミはしたくなりますが、お約束なのでしょう。
日本の特撮はここから巨大ヒーローと巨大な怪物との闘いが中心になります。これは東宝円谷に限らず、戦隊ロボ等の東映やピープロも含めての日本特撮の伝統となります。後に語る社会問題的な秀作でもお決まりのように巨大化は出てきます。


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