血を吐き続ける悲しいマラソン

ウルトラセブン26話 超兵器R1号 ギエロン星獣登場

ウルトラセブンの放映された1970年代は米ソが核を持って睨みあう冷戦の時代でした。
移民や侵略を地球から宇宙に置き換えた部分のあるウルトラシリーズ。地球防衛軍が開発した超兵器は侵略を企てた星を瞬時に破壊するという恐ろしい武器です。超核兵器とも言え、そんなもので戦いだしたら、大変なことになります。
実験は生物のいないギエロン星を照準に行われようとします。モロボシ・ダン(ウルトラセブン)は違和感を覚え反対します。相手がもっと強い兵器で反撃しだしたらどうするのですか。その時はもっと強い兵器を開発すればいい。『それは、血を吐き続ける悲しいマラソンですよ』
現代の軍備拡張、破壊力戦闘力に優れた兵器や対抗する防衛システム等も大金をかけた悲しいマラソンです。戦争が実際に起こっても悲劇ですし、核戦争はおこらなくても、食糧や文化や教育などに使えたお金が無駄に使われやがて陳腐化していきます。
物語は生物のいないと思われていたギエロン星が爆破され、謎の飛行物体が地球に向かいます。生物がいて、しかも奇形化巨大化して地球を恨んで襲ってきたのです。宇宙人ではなく星獣という怪獣一匹というセブンには珍しいパターンです。セブンのアイスラッガーなども通用しない強敵でしたが所詮は孤独な一頭だけの反乱です。悲しくセブンのアイスラッガーで咽を切られ悶死します。
最後はギエロン星を選んだことも反省され、さらなる超兵器の開発は中止されます。
『血を吐き続けるマラソン』冷戦から高度成長、バブル期の日本も走り続けていたのかも知れません。

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