カミュ「ペスト」の先見性と不条理との戦い

「誰でもめいめい自分の心の内にペストを持っている」
この時期に75年前の本が読まれています。
フランスの作家・アルベール・カミュが書いた小説。「ペスト」出版は1947年に40歳台前半でノーベル文学賞を受賞したカミュの代表作の一つである。物語は、フランスの植民地であるアルジェリアのオラン市をペストが襲い、苦境の中、団結する民衆たちを描き、無慈悲な運命と人間との関係性が問題提起される。医者、市民、よそ者、逃亡者と、登場人物たちはさまざまだが、全員が民衆を襲うペストの脅威に、助けあいながら立ち向かう。

「おそらくはいつか、人間に不幸と教訓をもたらすために、ペストが再びその鼠どもを呼びさまし、どこかの幸福な都市に彼らを死なせに差し向ける日が来るであろうことを」
国家や医師の対応のまずさ、世間の愚かさ、人間の弱さと、その中から連帯し合う力。他人を、殺してしまうことへの嫌悪。
いろいろ先見がありました。生きることはまさに不条理との戦いなのです。不条理とは戦争であり、感染によって加害者となり人を殺してしまうことです。
コロナウィルスは人類が挑戦されているともとれます。その中で

「人類がペストに勝つためには誠実であること」
という言葉が思い出されます。

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