日本最大の企業の栄光と崩壊【カネボウ13】

カネボウ化粧品と歩んだ人生13 労働組合

労働組合の話を書いておきます。今やどこの企業でも労働運動は形骸化され、一部を除いてあまり活発な組合活動はないようです。カネボウの歴史においては最後まで組合は影響を、それも悪い意味で持ち、花王の傘下でもその存在はあります。
昭和の頃はカネボウ化粧品全員には労働組合はありませんでした。繊維出身の組合員層だけが労組でした。
繊維主流の時代もカネボウの労働運動はまたいろいろあったのですが、それは私の入る前の歴史です。
伊藤淳二(社長、会長歴任)が労働組合も経験し、労使交渉、労使一体の家族主義で企業の存亡の危機を乗り切ってきたことだけを記しておきましょう。
やがてユニオンシップ制がうたわれ1990年代に入り、平成3年頃には管理職やパートを除く全社員が組合員となりました。
私はなかなか課長、管理職にもなれず。組合にはつき合わされ、職場委員、分会長は経験しました。いっそ専従で現場の仕事を離してくれればと何度も思いました。
大きな問題は一度カネボウは1997年賞与カットとなります。その後も組合と経営の談合で給与10パーセントカットも行われました。
組合専従員は説明の業務のため、賞与相当分を貰っているのですから、これはもう御用組合。経営の手下です。10パーセントカットも、個人管理をして返す返すと言っていましたが、花王傘下になる時簿外債務となるとかいう勝手な経営側の理屈でついに返されることはありませんでした。帆足社長も当時の組合上層部もウソつきです。
2003年に、業績給を増やした新給与体系を構築しますが、組合員に借りた俸給を体系をいじっても返すべきだったと私は今でも思います。ですから当時の社長にも組合幹部にもこのことは強く恨んでいますし情ない嘘つきと蔑んでいます。100万円前後だったと思いますが、帳簿まであるのに返せない、それをフェイドアウトしようとする情けない限りです。
組合はその後も細々続きますが、美容部員の宴会援助くらいにしか役に立たない。花王ではいらない存在です。
カネボウ労働組合が令和の世も無くなっていない。それは上部団体の全繊同盟が抜けさせないとか、花王本体が悪者になりたくないのでしょうが、花王社員がない労働組合なのでいらないとしかいいようがないです。
組合はどの企業でも最近は、経営者側についたり機能していきません。カネボウが粉飾で断末魔の頃、伊藤元会長の暗躍に組合が関与したとかよからぬ話も情けない。社員の事など何一つ考えず、己の立場を利用して存続と権力に寄り添う組合等は本当に良くない存在でした。

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