津波てんでんこ 命てんでんこ コロナてんでんこ

2020年9月の台風10号は、大型で過去最強クラスと言われながらも、避難も早めに準備され被害は最小限に留まったようです。台風は昨今、予測の精度があがり、ちょうど特別警報寸前まで煽ったわりには、海水温が下がりピークも早く去ったのも幸いしました。
地震、津波や大雨は突然来ます。コロナもなかなか予測はたっても、自分はまさかと思う間に罹患するのでしょうか。
避難とか対策は「てんでんこ」でいいのです。岩手三陸地方で伝わる。「津波が来たらてんでんこ(めいめい勝手に逃げろ)、命てんでんこ」と伝えられています。「津波が来たら、取るものもとりあえず、肉親にも構わずに、一人で逃げろ」「自分の命は自分で守れ」
各自てんでんばらばらに実際に東日本大震災で「釜石の奇跡」と呼ばれる、全員無事だった小中学校の避難訓練で実践されていました。
ここには4つの意味織り込まれています。
①自助原則の強調:自分の命は自分で守る。てんでんばらばらで素早く逃げろ。
②他者避難の促進:自分のためだけでなく、素早く逃げる自分の姿や様子が目撃されることで、逃げない人々に避難を促す効果があります。
③相互信頼の事前醸成:大切な他者と事前に災害の際はてんでんこしようと約束し、関係を深めて確認しておく。
④生存者の自責感の低減:約束しておいたてんでんこだから、「仕方がない」と罪悪感が減る。
自分勝手と思われたり、統一感や同調圧力の好きな方には反発がありそうです。しかし、「逃げる」とか「災害を避ける」という目的に向かって必死に進むのには間違いがありません。
一番足の遅い人に合わせながら一列で逃げていては誰も助かりません。塾の講師が受験勉強を教えるのに、一番低レベルに合わせて講義を続けていたら全員アウトです。それぞれのやり方に気付かせ後は一人一人が苦手っや課題を克服することが、全員合格への道でしょう。へらへらと同じように喋っていてはゴールなど望めません。他人の真似などせず自分の道を見つけもっともはやく進むことがゴールへの最短なのです。
津波と他の災害、コロナ感染は少し条件は違うと言われそうですが、基本的な考えは同じです。
よく何十万という避難勧告や指示が出ても、避難所が収容できないじゃないかと言われます。
行政は被害が予想されたら勧告や指示は出しますが、避難所にももちろんキャパはあります。今回の台風も避難所にいち早く入った方、前もってホテルや丈夫な建物の知人宅に逃げた方もいました。まさに個々の判断で「てんでんこ」で正解だったのです。
コロナ禍はこの判断が難しいです。未知のとか、煽り情報が多すぎるからでしょう。基本にあるのが①自助原則であることを思い出せばよいのです。免疫力を高め、手洗い等を徹底する等は共通としても、個々の体力、病歴、家族、仕事、嗜好それぞれでできることは違います。政府や自治体、マスコミも伝えざるをえないのです。でもみんなが一斉に同じところに行けば医療崩壊につながったり、検査ができないとかのパニックが起こります。惑わされず自分の逃げる方向(コロナを避ける方法)進む方向に行けば良いのです。感染者を差別したり、みんな一緒になって、特定の業種を苛めるようなことは全くのナンセンスです。「てんでんこ」の輪ができ理解が進めば相互に信頼しあえる社会になります。

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