全豪テニスで見えたコロナ禍オリンピック、感染防止だけではない大きな課題

東京オリンピック・パラリンピック2020は1年延期の開催を4か月前ほど前となり、未だに正式に開催できるか微妙な状況です。
組織委員会のトップが女性差別発言問題で交代したドタバタはありますが、コロナ禍での感染拡大対策という大きな枷をはめられ課題は山積みです。
一番の感染拡大防止は、【中止】ですが、その次は「オンライン開催」これもほぼ競技施設もむだになり実質【中止】でメリットなしです。一部オンラインマラソン等やっているケースはありますが現実にはないでしょう。
無観客開催、国内の観客だけの制限人数開催、外国人観客を一定数いれた開催、競技による観客基準制限、競技による一部中止等ケースは様々です。
そんな中先日の全豪オープンは厳しい条件下で開催され、多くの有益な経験を示してくれました。女子の大坂なおみ選手の優勝は日本でも喝采を浴びました。しかし無観客での開催時期もあって、その背景には選手、関係者のさまざまな思惑、涙ぐましい努力、悲喜こもごものドラマがあったでしょう。
素直に優勝に酔う大坂選手や、久々のいいニュースに心躍った人に水を差すわけではないのです。けれど男子優勝のジョコビッチがまず大会が開催できたことに関係者に謝意を示したように、大会は辞退者もあり、ベストコンデションの選手ばかりではなかったのです。大坂選手の決勝は悪くはないですがグランドスラムのトップレベルとは言えない試合でした。
おそらく東京オリンピックも、現在コロナ禍ロックダウンの国で練習や選手選考もままならない状況での参加となり辞退もあるでしょう。
本来予選会で切磋琢磨してコンディションを上げて来日することや、長い準備キャンプを日本でやることも不可能な国が多くなっています。コロナ蔓延の国、ワクチンが行き渡る国、国によって環境も参加レベルもまちまちで尋常な大会ではあり得ません。
金メダルの価値が低減する訳ではないですが、パフォーマンスだけでいえばベストの選手がベストのコンデションで会した世界一という意味の金メダルではありません。
ドタバタした組織委員会が今後最も考慮しないといけないのは、入国する選手の水際での感染予防をしながら、ぎりぎりまでフェアなコンデションで戦え、日本の大会と日本を満喫してもらうことです。単純に10日や2週間の隔離では選手の調整は狂います。相手国の検疫、ワクチン接種を信じて、入国段階では差別やハンデとならないようにフェアに考慮しつつ、感染拡大も防がないとなりません。
幸いに真夏で市中感染が爆発しにくい時期ではありますが、変異株や他の病気や熱中症等の課題はやはりつきまといます。
そういう面では大局的な仕事とリアルな実務、組織委員会のトップにかかる課題は深く思いです。
商業主義や金メダル至高主義がこれですべて払しょくされる訳ではないですが、大きなターニングポイントの大会にはなりそうです。
五輪精神の、よりフェアな条件フェアなプレイを目指した大会の位置づけを再確認していただきましょう。
世界中のアスリートが限られた条件下でベストを尽くす姿が人々に勇気と感動、喜びを与えられるよう関係者の尽力に期待します。

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