ゴールの見えない血を吐きながらのマラソン   首都圏の人が緩んでいるのではない  もっと考えてケアすること問題提起することはあるはず

首都圏の緊急事態宣言は再び2週間の延長が決定されました。
関西圏や中部、九州の都市圏が1週間前倒したのに比べて、首都圏の感染者減少は下げ止まり、医療体制の逼迫も続くことを鑑みての処置だそうです。確かに数値は顕著しそうですし、街頭インタビューも「緩んでいる、宣言慣れしている」「自粛ストレスが続くので限界」「飲食業は厳しい、かわいそう」の声が聞こえます。
首相、首長も市民の自粛には敬意を払いながらも、今一度気を引き締め自粛の継続努力を強いる要請です。
首都圏と関西などの差は何?
「緩んでる」報道を受けて、ふわふわしている首都圏の若者(に限らないオジサン、オバサンも)を糾弾するとか、首都圏との往来を嫌悪する向きもあります。自分のエリアは頑張っているだから→首都圏は緩んでいる穢れていると刷り込まれる方もおられます。
しかし首都圏と関西とかでこれだけ差が出たのはそもそも気の緩みや自粛の仕方の差なのでしょうか。関西に住む私から見て、別に京阪神の人々が特段努力したわけでもなく、宣言中の繁華街や観光地の人出多かったです。自治体や医療現場や行政が特に秀でて別のことをした印象はありません。
どちらかというと関西人のがおふざけも激しく、ミナミなどの密集度とカオス度は新宿と変わらない気もします。
これだけ差がついた要因を「自粛の差、緩み度合いの差」以上に明確に求めなければ、ストレス貯めながら頑張って我慢していた首都圏に住む人は救いがありません。
「○○県の医療、保健所のこのやり方が良かった。」「大阪の知事のこの対策が当たったとか、首都圏のここが問題で改善する。」「首都圏はこういう地域性で改善がすぐには難しい。」そういう課題を考察し公表し潰していかないといけません。
首都圏の方は他地区と同等かそれ以上の努力が続くけど、今回別の対策も検証中だが、今のところの対策としては市民の自粛しかないという説明がせめて必要です。そこを簡略すると東京のヤツらが悪いとストレスの矛先を向けるスケープゴートを作っているように思われます。
頑張ったのに、ゴールはまだ先で、あと2周とりあえず走ってではマラソンではありません。
ケアしてあげないとキレるでしょうみんな。
首都圏の人口密度、人口の多さは世界一
私は近未来の社会経済に興味があり、鉄道や交通系が趣味です。意外と知られていないのは日本の首都圏は世界一それも圧倒的に人口の多い大都市圏です。行政というくくりでなく建物や交通、経済で一体化できる人口密度の地域という都市圏では世界一です。災害などで隣の家が別の県でも被害は一緒です。(中国の行政市は、日本の県や道のようにデカくて人口集中の都市域は分散している、日本の首都圏に続くのはインドネシアのジャワ島ジャカルタ)
今回は重症者の比較的少ないパンデミックでしたが、風水害、大地震、大規模火災など一つ間違うと多くの人口が逃げ場を失い、たちまちライフラインを脅かされるパニックになります。
新型コロナの感染拡大で、通常なら電車などの乗り物は消毒もされ換気も注意していて会話もすくないと影響はないとされています。ところが首都圏の電車、通勤事情は関西圏などに比べてはるかに長い時間を強いられ混雑度も桁違いです。他の地域では30分から長くて1時間が通勤電車に乗っている時間、しかも1時間はかなり周辺部から乗るイメージでそんなに混雑していないのが関西や中部です。これが首都圏は2時間の混雑電車がざらで、しかもオフィス近くでは地下鉄などに超過密な乗り換えをします。空気が悪いのと、疲労も増す条件が重なります。時差出勤、テレワーク等できるところは始まっていました。できない業種だけでも物凄い人数になるのが首都圏です。
次の日本の道
個人のできることは限られます。そこで生業をする性の人、いきなり転居や転居はできません。
ただ防災、アフター(ウィズか)コロナを考えただけでも、次の政治の選択は、あるいは行政の推進する課題は、首都圏の機能をいかに地方に分散するかだと思います。そこに経済の再建、雇用、教育、医療など多くの課題を結びつけないといけません。
行政の既得権力の妨害をかわしいかに無駄のない改革を実現していくのか。今回の総務省接待など氷山の一角でしょうが、公僕たる公務員がある程度の安定収入は保障されても、特権階級の上級市民として非正規の月収を上回る金額を一夜の接待で受けるというのはさすがに厳罰にしないとならないでしょう。
幸いに今回、普段名前も知らなかった、知事、大臣が露出しその言動が注目され、政治や行政の汚点も明らかになっています。首都圏の危うさ、地方への移転、再生のエネルギーはだいぶ充電されている気がします。ウイズコロナで是々非々の選択がされていくことに期待します。

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