飽食の時代

ちょっと外食で贅沢ができない時期ではありますが、食べ放題とかバイキングとかが比較的リーズナブルになった時代です。
先日も廃線散歩で、戦中の軍事輸送に使われた跡の道を行くと、つい飢餓の時代はどうだったのかと思います。
「永遠のゼロ」という百田尚樹原作のセロ戦の映画に「大福が食べたい」とか無理を言う隊員がいて、砂糖等が貴重な時期に何を言うかといわれてるシーンがありました。調理師も何とか無理をして特攻の日までに用意しようとするのですが、結局間に合わないタイミングに空しく大福が出てきます。
また映画で有名になった野坂昭如の「火垂るの墓」での、末期の少女がドロップが食べたくておはじきしかない描写もすごく悲しく心に残っている方も多いでしょう。
今は大福をはじめあらゆるスイーツを作る職人も材料も潤沢にあります。贅沢もできますし、手ごろな値段で少し歩けばコンビニで、何でも揃います。
飲食店やコンビニでは余った食材や賞味期限の切れた弁当等がどんどん捨てられています。
戦後間もない頃は、ホテルの残飯が浮浪者たちに闇でふるまわれていましたが、衛生上今はそんなこともありません。
ただ、美味しいはずのスイーツですが、当たり前にあり過ぎてありがたいともあまり感じることもありません。
味が肥えだすときりもないのでしょうか。
何だか、恵まれているはずが、どこか喪っているものも多い時代なのでしょうか。

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