トップ辞任でコーチが昇格する危うさ 政治にも

サッカーや野球でも、成績不振の責任、特に優勝や予選突破等が期待されながら不振をかこると世論の非難も浴び監督が解任される場合があります。
その際、日本のサッカーの代表やJリーグやプロ野球チームだと監督更迭後、部下だったコーチが監督に昇格する場合があります。
トップの首をすげかえることで、選手たちに責任感、危機感を伝えることはできます。しかし、戦術や指導の点ではすでにチーム内にいたコーチですから、その人は何をやっていたのか、責任はないのかの疑問は沸き、力を出し惜しみしていたのかと思われます。
外国の場合、スタッフ毎入れ替えが多いようです。
シーズンや大会途中だと、急には人材の手当ができず首のすげ替えがやむをえないという事情もあります。
プロ野球等の場合、次期監督禅譲が決まっているような人がコーチで入閣しているケースも多く責任まで問うと、路線が修正されてしまうため、責任は監督一人に押し付けるケースもあります。
サッカーの1998ワールドカップフランス大会予選で加茂周監督が更迭され岡田武史コーチが緊急昇格し、プレイオフでイランに辛勝して初の本大会出場を決めたのは内部昇格の稀有な成功例です。
いい結果が出るかは未知数でも、まだまだ日本の場合、指導者は名選手、人気選手で元チームOBというのが期待されて、戦術や指導力より政治的要素で決まる場合が多いようです。
政治というと、次の首相選びもまさにそうなのですが、今や与党内での権力争いです。いくら人気があっても、現在の首相がコロナ対策で総裁選に出れないというのであれば現役の閣僚も当然無理なのではと思います。総理以外ならそんなに忙しくないと言っても、不人気の原因となった感染の拡大や,ワクチン接種の混乱、経済対策等で同じ閣僚として何ら意見も言わずサポートもし切れなかった人が人気があるだけで後任を期待されるのはやはりおかしな話です。
日本では二大政党制はなかなかしっくりいかなかった感じで、こんなに政府に不満がつのっても政権交代とはいきません。せめて現政権では要職についてない人が組閣して、自民党Aー自民党Bで交代していくべきとは思います。官僚の緊張感からいうとこういう一新、交代は必要です。
そこまで人材はいない現状では、自分が閣僚時代に、あるいは与党内でなぜ政策が実現できなかったかも明確にすべきです。
また大臣、閣僚を本当に戦術特化した仕事をする人材に揃えることが求められます。勝ち馬に乗るグループ支援、論功行賞、派閥当選回数順の力学では今の危機は乗り越えられないでしょう。
日本は崖っぷちのトップ交代だということを、マスコミも含めお祭りごとではなく真剣に考えないといけません。

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