発熱38℃、コロナ蔓延下の医療現場に思う1

風邪をひいてしまいました。
先週、息子が腎臓の基礎疾患で腸炎を引き起こし入院したばかりのタイミングで、少し涼しくなって夏の疲れなのか咳が出始めて翌日に微熱が出て、あくる日には38℃まで上がりました。
激しい咳や味覚異常などなく、寒気もないので、そのうち汗をかいて下がるとは思いましたが、平熱が35℃代の多い私にはなかなか苦痛の時間でした。しかも日曜日ということで救急診療というにも中途半端です。いわゆるコロナだとしても間違いなく軽症、自宅療養でしょう。
かかりつけ医も休みなのでとりあえず市のコロナ医療相談センターに電話しましたが、まあなかなかつながらない。何時間もトライしてまあ明日朝かかりつけ医へ、それまで市販薬の一般的回答のみでした。高熱とまでも言えず、その他の症状も大したこともなくまあそんなものかと思います、
夜までには少し汗をかき、熱は下がり出しました。
月曜日、翌朝になって迷うところです。平熱なのでこのまましれっと仕事へという選択肢もありますが、一応発熱と咳症状を会社上司に報告しています。
かかりつけ医に電話して診療可能を確認してから、なじみのクリニックを訪ねました。
早めに入ったので、先客は一人だけ、マスクをつけた女性がぐったりと壁の隅にもたれかかていました。
妻も数日前、ワクチン接種でお世話になった内科クリニックです。私も引っ越しって12年、風邪やら頭痛、めまい等でよく行っていました。風邪をひくと咳が長引くことが多く、なかなかゆっくり休めない前の会社でしたからいろいろ相談に乗ってもらっていました。また息子の主治医ではないのですが、元々腎臓内科が専門なのでいろいろ遠まわしに一般的なご意見を忌憚なく話していただきました。
ここ数年はひどい風邪をひくことは少なくなり、たまに歯から来る肩こりで痛み止めの処方までお願いした程度でしたが、私の前の会社まで覚えていていただいてて大変記憶力も良い方だと感じてもいました。
やはりかかりつけ医が顔見知りで自分もことを体質や病歴、その他の何であれ少しでも知ってくれていることは安心感をもたらします。
2018年度からは国は大病院へ直接初診に行くと、紹介状なしだと5000円以上の負担増になる、かかりつけ医制度を設けました。(大病院の慢性的混雑緩和にも役立てるルールですが当然課題もありました)
今回のワクチンの接種でも、元々持病もない若い方にはかかりつけ医がないケースも多いのです。しかし、かかりつけ医の存在はこのコロナ禍でやはり大きくクローズアップされました。
私にとっても今回、その存在は毎日のように報道されるコロナの情報でどうしてもバイアスのかかる重苦しい不安な気持ちをすっと和らげてきれました。
先生は今まで同じように、診察し、肺の音を聞き咽頭を診て、眼を診て、「コロナは風邪と同じ、コロナの可能性はありますが、いずれにせよ症状は軽快に向かっている。あなたの身体にとっていつもの風邪の治り具合と同じです」
咳止めと抗生剤を処方されました。PCR検査を受けるかどうかは、ご本人の選択に任せるということです。
「この状況下PCR検査を受けるのも大変だし。受けないとはケシカランと言ってきて証明が必要とかいう人も出てきますが、一時的なものなのであまり意味はないのですがね」
恐らく、毎日かなりのワクチン注射をして、防護服もなく風邪で熱だした多くの患者に触れている先生のホンネなのでしょう。
「コロナは風邪」「PCR検査は気休め」等というとワクチンも合わせてネット上で大激論になりそうな話題ですが、過剰に警戒しないという意味であり逆に毎年流行っていた風邪やインフルエンザにも本来もっと警戒すべきなのだという意味合いも含まれます。
まあ、かかりつけ医にはこのお話も含めていろいろホッとすっることもありましたし、今までいろいろ得た情報の中の選別もできました。そしてやはりお医者さんは患者に寄り添う姿勢はこうでないとと思いました。
一番最初のコロナが出た時、一部のお医者さんが張り紙だして咽喉科なのに「熱がある人や咳がある人は絶対来ないで下さい」と拒絶してました。患者を守り、医院と自分を守るためでしょうが、あまりに拒否の度合いが強く「なんて医者だ」と思っていましたが、ほどなく廃業されました。医師としての新しい知識も情熱も、もう無かったのでしょう。

そして、今渦中といわれる大型の病院、PCR検査となるとこれはまた別の要素があり、別の儀式、流れる時間、制限された空間、全く違う構図が見えだすのです。それは次回。


     (つづく)

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