かつて命懸けだったSLの運転

 SL今でこそ、動態保存されたり企画列車として運転されその雄姿は人気です。しかし現役で各地を走っている時代、その運転は命懸けでした。
 先日北陸トンネルの廃線となった旧線が公道となったトンネルを散策しました。そこで写真を撮ってる人と話し、モニュメントや資料を見ているといかに昔の蒸気機関車の運転が厳しかったが改めて偲ばれました。
 長大の編成で貨物や客車を運ぶので今の電車やディーゼルに比べて坂や峠を上るのには馬力がたりないのです。
 重連や3重連の写真なども貴重と言われますが、それだけ力が足りなかったのです。
 しかもトンネルだとただでさえ息苦しい煙が倍になります。
 石炭も水も満タンに積んで準備万端でも、適宜補充しないと足りなくなることもあるそうです。そして、トンネルでは窒息の恐怖があったのです。
 新幹線や新しい在来線電車はもうかなり自動に近いような楽な運転で坂も超え、トンネルも煤煙に悩まされず駆け抜けます。退屈すぎてスマホでわき見などというレベルの低い方も現れるくらいです。
 先人の苦労により開発された鉄道も、今や新幹線と大都市通勤、主要幹線以外はモータリゼーションの波に押されています。
 SL列車は、前時代を思い起こす遺産です。何もかまだ発展途上で、長距離移動に時間のかかった時代が記憶されています。
 

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