オミクロン水際対策があぶりだした、移動の自由、国籍の問題

 年末年始の休暇も控え、コロナ変異株オミクロンの水際対策で日本への入国制限が強化され、一時日本人の帰国さえストップされ撤回されるという混乱が生じました。
 日本は国境が全て海の島国であり、死亡率の高いエボラ級の感染症を完全に水際で抑えることは可能です。しかしオミクロンの陽性が出たからといって、死者がバタバタ出るクラスの疾病ではないので、予定していた日本人の帰国は一定期間の待機条件で認められます。外国人の入国はビジネスや留学も含めてストップです。
 第九のコンサートの指揮者や、スポーツイベントの参加者も入国できなかったり、待機が長すぎて、イベント開催自体が中止延期もでてきています。
 外国人を入国させないのは差別で、国際的にも厳しい鎖国ですが、これは感染予防のためと言われれば仕方ありません。疫学上が同じ国にいる日本人も外国人も日本に入国するなら感染拡大の可能性は同じです。しかし日本人には憲法で保障された「移動の自由」の権利があります。だから帰国することを簡単には拒めません。自宅待機よりも厳しい指定待機施設に14日間といいうことになるいました。
 国際結婚で国籍を喪失した本人や、本人は入国できても配偶者や恋人の外国人は現状では入国ができないことになります。
 外国籍で住民票を置いて働いている方、留学されている方も一度自国に帰ると確実に再入国できる時期は未定です。
 国際的な移動を伴うビジネスや、留学、結婚は、予期されたものとは言えかなりリスクのあるものだったことがあぶりだされました。不要不急の観光旅行はまだだいぶ時間がかかりそうです。
 いわゆるインバウンド需要は日本全体の産業構成からいうと1%強のようで、そこは今優先されていません。しかもゼロになるのではなく、オンラインにかわったり富裕層は移動したりしています。
 リアルからテレワーク、オンラインに移ったように移動手段を伴う観光も一定割合で変わっていく時代がくるかもしれません。

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