NATOを解体していたら

 2012年上梓のいくつかの論説をまとめたNATOの直近が良くわかる本です。
 どちらかというと立ち位置は右寄り、西側諸国寄りからNATOの存在感を示す論調もあります。
 そのなかでも感じられるのが、東西冷戦中は重大な使命を帯びた軍事同盟が、冷戦終結で当然ながら役目を失い呆然自失となったであろうということです。
 残念ながら、軍事同盟や兵隊、軍事産業は戦争がなければ役立たずのごく潰しと言われかねません。コソボやアフガンなどにも介入しだすのは、存在価値を見出したい背景があったのです。
 ウクライナ内乱、今回のロシア侵攻につながるものもあります。NATOがあって良かったのか、なければ戦争そのものがなかったのかは議論のわかれるところです。
 中立国だったフィンランドやスウェーデンの加盟も取りざたされていますが、国際制裁や戦争の終結を目指すというより、アメリカ側のプレッシャーと勝ち馬に乗りたいだけなのが良くわかります。
軍人、軍隊に仕事がなくなると必ず兵士の不満のもとに次の戦争が欲しがられるのは歴史の常です。
 冷戦終結後、ロシアも自由主義陣営の経済に入っていたのですから、仮想敵国のなくなった時点でロシアも加え、環境問題や自然災害に備える国際援助隊のようにシフトしていれば、時代遅れの戦争など始めなくてよかったのにと思います。
 

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