安倍長期政権の功罪  #アベノミクス

 凶弾に倒れた安倍晋三元総理に関しこの秋国葬という方向のようです。

 その業績、人物像を称賛される多くの層と、今回の背景の宗教団体とのつながりや、いわゆるモリカケサクラの問題まで取り上げけなす輩もいます。

 私は今週はじめのブログでお父様の安倍晋太郎さんの無念を晴らし、一度病で政権を投げ出す挫折を乗り越え最長内閣を記録した元総理の人物を評価しております。ご参照ください。

 統一教会との問題は、お祖父さんの岸元総理からのつながりであり、叔父佐藤元総理含めて強固な権力と政権基盤のためには、キレイ事だけでは済まないのが政治でしょう。安倍元総理の代で特にどうこうという話しではないと思います。地盤を引き継ぐ、いわゆる親や先代からカバンを引き継ぐのは「息子の晋三です親父同様よろしくお願いします」で始まるからこそ、世襲政治家が成り立つのです。山上容疑者の私怨が事実でも、逆恨みです。

 では、元総理時代のモリカケサクラはどうかということになります。

 森友問題は財務省で死者が出ていますが、元総理が主体的に関与したからというよりは、官僚の中の責任の押しつけあいの闇のようです。

 政治家で大物となり権力を持ち、まして長く総理大臣を続ければ、いろいろな輩がすり寄ってくるのは間違いありません。もちろん、お世話になった方も多く労う場面もあるでしょう。それを長期政権の弊害とすれば、それもそうなのです。では民主党政権やその前の自民党政権のように、海外からほぼ誰もわからないぐらいコロコロ総理が変わって一貫した政治が出来るのでしょうか。

「秘書の責任、秘書のチェックが甘い」というのを責任逃れと騒ぐ向きが多いです。しかし天下国家を考える政治家、総理大臣が、領収証のチェックなど毎月毎日細々やってたらそのことの方が心配です。

 総理の評価はやはり、政策です。民主党政権からデフレ脱却をはじめ世論に応えながら内外多くの課題に長く取りくみ続けたことこそが評価です。日本の抱える課題は多く全てをやりきったとも外交や経済にこれが正解というものはありえません。賛否はあれど、日本のために頑張られたエネルギーは凄まじいものでした。

 アベノミクスはたしかに功罪半ばとは思います。特に、カンフル剤的な【異次元】の金融緩和を長く続けるのは、安倍を冠しているアベノミクスとはいえ黒田日銀総裁がもう方向転換の時期です。残念ながら当初のデフレ脱却は実現しても、その後の賃金上昇、経済高成長にはつながらず国際的地位も下降、日本は置いてきぼりです。

 円安でも輸出が上手く回らず、コロナやウクライナの情勢含め、日本経済はかなり厳しい局面です。

 安倍さんの強い気持ちは引き継ぎながら、後を継ぐ人は、今後の政策は冷静に是々非々で、今後の日本の山積みの課題に臨んでいただきたい。それが国葬より何より安倍元総理への最大の弔いです。

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