ベースボールを見て楽しむ 犠牲バントはいらない

 政治や感染症対策など硬い話が多かったので、今日はスポーツの話。まあ、コロナも選手たちはスクリーニング検査をしてる関係でしょっちゅうあちこちで陽性、欠場もありますが、昨日は世界陸上含め一日、超一流アスリートたちの豪華な競演を愉しめました。

 時間があったので、昨日は朝MLBのオールスター、夜はサッカー、世界のオールスターともいえるパリサンジェルマンと川崎フロンターレの親善試合をみました。
 エキシビション的な試合もなかなか技量の優れた選手が出ると見ごたえがありました。

 私はサッカー少年でしたから、野球は見る方です。日本のプロ野球もひいき球団があり応援はしています。しかし改めて思うにスピーディでパワフルで見て面白いのはMLBですね。

 よく野球とベースボールは違うとか、日本にあうのはスモールベースボールなどと言われますがどうもプレイボールというように日本のファンは野球をあまり楽しまないのです。日本のプロ野球(以下NPB)の応援の掲示板などを見ても、どうも負ければ選手や監督を厳しくこき下ろすだけで、結果論にこだわり素人の戦術批判愚痴で発散とは言え、野球を応援し愉しんで見るという感覚から遠い人が多いです。

 MLBは回ごとのインターバルも短く、ワンポイントなどの小刻みな投手交代も少ないです。NPBでは序盤からの犠牲バントは減ったとはいえ、いまだにやっている監督もいますし、終盤大量リードしていてもバントや盗塁のサインを出す場合もあります。

 NPBにはクライマックスシリーズや引き分けの問題、指名打者制度の統一などMLBと違ういくつか抱えているものもあります。ここでは私は今、野球の掲示板で少し論争しているNPBのバントについての提言とします。

 高校野球など、ランナーが出ればよほど超高校級の大打者でない限りバントがセオリーです。バントしない学校は解説者が暗にきつめに非難するぐらいです。自分を犠牲にして前の走者を進めチームを有利にする『犠牲』という言葉が日本人の美学に響くのでしょう。ところが個人のアイデンティティが強い野球の本場アメリカでは自分の成績につながりにくい犠牲バントなどあまり見掛けません。状況に関係なく、打ってホームランや連打で大量点につながる場合もあればあっさり併殺の場合もよく見かけます。
 

 ホームランは当然野球の華ですし、野手の間を抜け走者が駆け抜けるヒットは球場へいったファンの最大の見ものです。たとえ最悪のダブルプレイ併殺でも、その併殺がMLBではかっこよく、しかも試合が早く進むので観ていてスカッとします。これは個人の感性なのかもしれませんが、1人を犠牲に出して結局あと二人が凡退した方がモヤモヤは残ります。たしかに感性が違い、バント神話を信じる人はその戦術で後続が凡退してもバントの成功を誉め、この作戦を続ければ、やがて好投手を攻略できると信じてやまない人もいます。

 実際には結果確率はほとんど同じなのですが、聞いてみるとバントの成功率や相手のシフトなどの防御や、その後の得点の確率など、何も数値が応えられない盲目的信仰です。バントは誰にもでき得点につながりやすいという印象だけをひたすら持っている方が多いです。

 バントで塁を進めても、1死は相手に与えるので残り二人が結果を出さないといけないので得点の確率はそう変わらないのです。ひいきチームが併殺されるのを見ると、バントを指示しなかった首脳陣が無能と非難される人がいますが、それは戦術の選択の結果論であり、バントをしても最初から失敗のリスク、最悪の併殺の可能性はあります。総じてバントの成功確率から、その後の得点確率と得点平均を鑑みると、それほど差のない戦術であり、結果として盛り上がり大量点につながるのはバントしない方だと考えられます。

 バントというやり方がゲーム的、戦術の一つとして面白いとか、150キロの速球を打球を殺し転がす芸術的な技術は素人にはできないという、バント肯定の意見もよく聞きます。それは否定はしません。これはもう感性の問題でバントで送る野球は面白くないと私は思います。勝つためといっても確率はそう変わらないので、お客さんに見せるプロである以上、外野席から何やっているか分からないバントで塁を進めスクイズバントで決着するような野球は禁止にすればいいと思うのです。MLBと日本じゃパワーが違うとか言われますが、各球団に日本人離れした主砲が揃い、前後や下位打者も甲子園やアマでは綺羅星のごとくのスラッガーばかりです。球場にいくファンは大谷はもちろん村上や佐藤輝、山川や柳田のホームランを期待していくのであって、彼らがバントしたのを見たら失望するでしょう。私はファンとしてバントなどで負けると口惜しい上、勝っても全然スカッとしませんから。

 提案としてはバントそのものを全面禁止、もしくは指名打者制でない場合のみの投手だけ可能とするやり方があります。もう一つ、今のいわゆるスリーバントでファウルの場合打者三振アウトになるのと同様、ノーストライクやワンストライクでもバントファウルを打者アウトにするルールにしても面白いです。それこそプロ中のプロのバント技術者が試みるか、ほぼバントが皆無になるのかゲーム的には面白いと思います。

 3時間や時には4時間が当たり前のNPBの野球はとにかく、もう少しスピーディに球場の観客目線で改革を考えるべきです

 

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください