鉄道会社の赤字の根源はローカル線ではない

 JR各社がローカル線の赤字、収支悪化を理由に廃止、バス転換の検討などを発表しています。

 決まって1000円の利益を上げるのに数千円や1万円とかいう数値が使われる。確かに、鉄道しか中距離以上の移動の手立てが無かった時代に比べ、道路も整備されて鉄道がとくにローカル輸送の主役で繁栄した時代は終わりました。

 しかしながら大都市圏を結ぶなどドル箱の通勤圏や、大型レジャー、観光のある沿線以外にそれほどの利益路線はありません。通勤や通学、通院など地域の足を担っている公共交通であり、越境の通学などは少ないため、県境を越えるローカル線に通しの旅客は期待できません。  

利益は元々そんなに多くは期待できないものの、それほど大きな赤字でもないのです。では通勤圏や新幹線、リニアの投資はすべて回収できるのかというとそうでもないはずです。並行在来線の赤字なども考えると新幹線が必ずしもドル箱というとそうではないところもあります。元々期待する営業収入も利益も違う路線を数値で評価して納得させるのもおかしい話です。通勤圏も結局は少子化などでパイの取り合い。コロナ禍でテレワークなどで思ったより利益がでないから、大きな規模のJRなどは赤字ローカル線の数値を悪く見せて責任を押し付けているのです。

 赤字だから減便して、ますます乗りにくい不便なダイヤにして、さらに乗客を減らし切り捨てるようなやり方は本末転倒です。待たずに乗れる程度の頻度、せめて覚えやすい1時間に2本程度のダイヤ維持が乗りやすいサービスです。
 鉄道を維持するのには、会社側も地域に密着して乗ってもらうスタンスしかないと思うのです。地方鉄道の私鉄や、三セクでも成功事例は出ています。確かにドル箱路線があってそこで稼げば手間のかかるローカル線に目が向かないのは大きい鉄道会社ではある面しかたがありません。しかしスケールメリットを生かしたグループ会社として残し、通算切符つぃて運賃レベルを維持して観光資源を共有するなど、やり方はあると思います。
 鉄道の線路を誘致し、駅が街の中心だった時代もあり街の構造は駅を中心にしている場合も多く、駐車場の整備や再開発でクルマ社会とすみわけと共存的な発展は望めます。

 性急な赤字路線切り捨てには違和感しかありません。
 

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