沖縄の本3 日本は米中の狭間で再び沖縄を見捨ててはいけない

 同じ『沖縄論』でヒットしたので、読んだこちらは岩波書店で2010年に出版された評論で、す。副題は『平和・環境・自治の島へ』というテーマです。
 戦後、復帰後の沖縄政策の評価から、米軍再編、基地政策の経緯、経済と環境にとくに重点を置いています。岩波でイラク戦争時にも沖縄基地問題とを評論したブックレットなども出しています。

 データも豊富っで分厚い内容ですが、やはりアメリカの横暴さとともに日本の主体性の無さが見られるのと、当然沖縄の人にとっても立場によって評価は分かれるところでしょう。
 平和と自治と、そしてやや欲張って環境というものまで全て達成するには大きな課題があるとともに、今般も米中の対立が囁かれるなか沖縄が再び危機に瀕する時に大多数の日本人が本当に沖縄の立場を理解しているかというと大きな疑問です。

 月刊『HANADA』などで保守の論客、櫻井よしこやらは中国がやがて沖縄(琉球王国)も歴史的に支配下だったことを持ち出しかねないと脅威をあおりつつ、中国も沖縄も見下したような認識がありました。
 確かに歴史を知らないと、沖縄という日本の領土が侵されるという危機意識が中国脅威、米中対立を深刻なものとしていまいます。それは親米の論理、アメリカの思うつぼです。
 沖縄の歴史の惨さを見れば、アメリカ、そして日本政府は沖縄を発展させお金をばらまいたと恩には着せますが、常に差別と略奪、利用してきた背景があります。

 こういう論調になると、すぐ親中、反日だという批判で親米保守が騒ぐのですが、真の保守、愛国は自国にプライドを持ち自主、自立から始まる訳で、米中にそれぞれ気を使い靖国神社も参拝できない総理、政権のどこが保守なのかということです。そして明王朝や中国よりも沖縄の県民の自主、自立を考えてこそ、沖縄が本当の日本、日本の成員になる訳です。この理論は沖縄がやがてチベットやウイグルになると脅威を唱える人にはなかなか驚きと怒りでしょうが、実は沖縄はすでにアメリカや日本にとってのウイグル的扱いをされてきたのです。アメリカは常に打算だけの戦争国家です。
 かつてはオイルショック後に日本も中東と独自外交をした強者もいました。中国が怖いコワイというだけで、まともな日本の国益を担う外交ができていないです。
 親中ということで揉む消すのではなく、対立軸だけに向かっても平和は遠のくだけで、再び沖縄は戦場になる危険をはらむことになりかねない今の世相です。

 沖縄の歴史を紐解けば紐解くほど、現在の不安がこみ上げります・

 

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