オミクロンは結局、

 オミクロンは肺炎にはなりにくい、上気道炎止まりはやはり風邪の主要な言いまわしです。コロナも何代目かの変異株となり、オミクロン型では、肺炎のような症状や免疫系の暴走が見られる患者は減り、鼻づまりや喉の痛みを訴える患者が増えている。「オミクロン型の症状は比較的、鼻風邪に似ています」と多くの内外の学者が語っていました。

 すでに世界的な統計で65歳以上の高齢者やワクチン接種を受けられない年齢の子どもを含め、すべての年齢層でオミクロン型はデルタ型に比べて重症化しにくいようです。それでも、他の健康問題と同様、年齢が重症化の要因の1つであることに変わりはないので「どんな病気でも、高齢になるほど悪化しやすくなる」原則はあります。コロナの死亡者がそれなりの数、高齢者で出ているのは他の疾患を持っている人の最終的な死因のトリガーの一つがコロナ感染ということでしょう。ただその高齢者も60代とかではなく、70代中頃~という感じではないでしょうか。

 基礎疾患のある人や免疫力が低下している人も、感染しやすい。現行のワクチンがオミクロン型による症状を防ぐ効果は、デルタ型に比べて低いということで、感染する人は莫大に増えています。濃厚接触まで仕事を制限したりすると、本当に社会インフラが成り立たないようになります。

 これまでのデルタ株とは違い、オミクロン型は肺の細胞に効率よく感染できないらしく、その結果、体へのダメージが少なく、症状も重くなりにくい。オミクロン型に感染した多くの患者は肺のウイルス量が著しく少ないことが、いくつかの研究からわかっている。一方で、鼻や副鼻腔を含む上気道では、オミクロン型はデルタ型の100倍以上の速さで複製されることが論文でも示唆されているそうです。

 上気道に感染しやすく、免疫をより回避し、感染力が強いといったオミクロン型が遂げた変化は、感染した相手を重症化させることなく自分の複製を広げるように進化することで、ウイルスがみずからの未来を確かなものにしようとしている兆候です。

 『感染力が強くなれば、それに比例して毒性が弱くなる』とは基礎知識ごく当たり前の一般論として良く言われていました。たぶん日本の専門家も分かり切っていることですが、どうもマスコミはそこを強調しません。せめて一般論をまず説明しないと、そこの基礎知識がない人にはコロナは強い伝染病のまま、もう詐欺に近い報道です。感染力は従来の何倍のみを強調し、毒性は隠し、重症化することもある、若者も重症化し、後遺症が出ているケースもあると不安を煽ったままでした。医療現場はおかげで目詰まりして、治せる医療が後回しになったりいろんな齟齬が出ています。

 ウイルスにとっては、自分の複製を作って次の宿主に感染できさえすれば、感染した相手を殺すとか苦しめることは目的でも何でもないのです。パンデミックのパニック映画がトラウマになった人が未だにマスコミの煽りを盲信しているような感じです。感染力拡大以=弱毒化の一般論通りでもう未知の要素はないこと、重症化しないというのは、具体的には元気な人が罹患しても肺炎とは結び付かないので単独で中等症になるようなことがほぼないということです。

 その点で、気が緩むとか、高齢者のために警戒は必要というの、別次元のところで説明しないといけないことです。

 パンデミックなど、ここまで進化したウイルスにはもうあり得ません。あとは日本ガラパゴスの医療の目詰まり、救急車のたらいまわし、休日の発熱外来の行列で重症になる方が怖いでしょう。
 最初の波の頃、今後弱毒化して、重症化の率が減っても、感染者数が増えれば医療崩壊は起こり得るとの指摘はありました。今それに近いですけど、常にどこかに医療従事者や病床いわゆる医療ソースを余らしたままという、もどかしさが残ります。この問題を波が凪いでからと言わず今のうちに早く改善しないといけません。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください