いつ終わるウクライナの戦争 核使われたら責任は?

 核軍縮、核不拡散、原子力の平和利用を3本柱とする「核不拡散条約」(NPT)の再検討会議は26日午後(日本時間27日未明)、米ニューヨークの国連本部で最終日を迎えた。コンセンサス(意見の一致)による「最終文書」の採択をめざしていたが、ロシアが同意せず、決裂した。
 という報道で、まあいかにもロシアが悪役のような報道だが、ロシア擁護ではなく、一体戦争の終局はどこにあるのか。停戦の道筋が見えず、当初西側大国メディアがロシア経済が崩壊して早晩ギブアップするという局面はいつまで経っても来ないようです。
 広島、長崎で被爆経験がある日本は、核を使う可能性に言及するロシアに対して、ただの脅しとスルーして経済制裁、後方支援を続けていて良いのかという議論はあまりなされません。脅しの可能性があるにせよ、核は世界を壊滅させる脅威であり万一使われたらとんでもないことです。その局面だけはどんな外交手段を使っても止めないといけないのです。
 今でさえ悲惨な状況のウクライナ東部です。プーチンを怒らせて、さらに悲劇が起これば誰が責任を負えるのでしょう。プーチンが悪いとか悪くないではなく、プーチンの存在はそんなものとして、止める責任は見切れなかったウクライナ側に生まれます。

 だいたいプーチンは精神的におかしくなった狂人だと主張する人もかなりいましたが、狂人が核をもってそれを使うかもしれないと言っているのに、喧嘩を売り続けるというのはどういう了見かよくわかりません。いやまだ理性はあって世論や世界情勢は気にしていて判断力はあるという分析をされている方もおられ、恐らくそうなので核は使われないという見立てというか楽観的判断があるのでしょう。もちろん核を使う可能性は低いことに間違いあないでしょうが、ゼロではありません。脅しに屈するとかではなく、狂人でないのならあらゆる手段を講じちゃんと停戦の交渉をして市民の安全を守るのが、国家の代表と周辺国同盟国の義務だと思います。国家主権を全て手放す無条件降伏とごっちゃに思う日本人が多いですが、主義主張はいったん棚上げして戦闘を止めましょうというのが停戦交渉です。
 東西冷戦のキューバ危機、必死になって世界の破滅を止めた時、どっちが悪いからなどと言ってられなかったのです。戦争をする以上どちらも相手が悪いと罵り合いますが、それよりも次元の高いレベルに核攻撃を止めないといけない欲求があるはずです。日本は被爆国であり、東日本大震災でも福島の原発事故を経験し、核と放射能の恐ろしさはどの国よりも知っているはずです。日本の立場で核は禁じ手としての局地戦争を止める手立てを模索すべきです。

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