99.9%の恐怖 冤罪だと誰が責任とるのか

 残念なことに、母校の大学のアメフト部の学生が酒で酩酊した女性を暴行した容疑で逮捕され、リーグ戦辞退、活動停止となりました。
 昨日現在、逮捕された4人が犯行を認めているかどうかも含め、犯罪の性質上詳細までは報道されませんが、4人は実名と顔写真までさらされています。事実上さらし首です。

 チラ見する母校の関連サイトでは、「恥さらし」とか「即刻除籍」とか厳しい書き込みと個人情報の特定を拡散する正義感旺盛の方々がおられます。

 この種の事件は、事実関係の確認と捜査、裁判の結果を見守るべきで、OBや大学関係者があれこれ推察して断罪、拡散してさわぐべきではありません。出場できなくなった4回生の無念もだし、名前をさらされた学生の家族の心情を慮ります。

 事実なら女性の尊厳を冒瀆する唾棄すべき犯罪であり、庇う気持ちはありません。逮捕に至ったということは被害者側が訴え、ある程度の事実を捜査側が掴んでのことでしょうが、99.9%有罪のにおいが濃いとしても、冤罪ではないとも言い切れません。痴漢などのケースはむしろかなり冤罪の割合が多い上、名誉を取り戻すことは難しいのが厄介なところです。

 お酒の勢いだといって許されるものではありませんが、女性が一人だったのか、計画性があったり常習的な集団だったのか、一過性のものなのか、4人全員が共通の罪状に匹敵するのかも今の段階ではわかりません。

 別の大学の前例の事件でも、女性側にも緩みがあったのではないかと監督が庇った際に集中砲火を受けました。しかし、ハニートラップ的なものとはいかなくても、20歳を超えた女性側が薬物を飲まされたわけではないようです。そうなると、被害者がただお酒を呑んで泥酔までになったのに、どこまで容疑者側が企図して関与していたのかも争点となるかもしれません。
女性の容姿や服装も気になるところですが、そういったことは想像をしていてもしょうがありませんし、それこそ怒られそうです。

 冤罪を恐れていては悪い奴を捕まえられません。しかし犯罪の立証と罪の償いは、マスコミやOBや素人が想像してやることではありません。冤罪だったとき、拡散した全てのマスコミやネット民が同じ情報量で謝罪するかというとそんなことはあり得ないのです。
 捜査権力を持つ者とマスコミが、横暴や選り好みをしてきた例は多いのです。こういうセンセーショナルな記事でも冷静に読むことが必要です。

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