鉄道の発展した頃の時期は、中距離への移動手段として人馬、船程度しかなかった時代には渇望されて、地域の社会インフラ、産業や文化の発展に大きく貢献しました。
現代においては大都市圏の通勤や観光を除いては、地方を中心に移動手段はほぼクルマにとってかわられ、鉄道を使ってわざわざ移動する人は減っています。主要な物流もトラックなどの自動車になりました。
コロナ禍で拍車をかけるように、テレワーク、WEB会議やオンラインの授業などわざわざ出向かなくてもというシステムが広がりました。
しかし、時折いわれるのは対面しないと分からない良さも悪さもあるということです。私はビジネスマンの現役の頃、もう2000年代くらいからメールでのやりとりはよく使いました。ビジネスマンにとってメールで事足りることをわざわざ足を運んでいくということは、無駄だと思うスタンスで仕事をしていました。
今だと特に企業の施策や新商品など、公開しているものさえあり、未発表でもうまくプレゼン資料にまとまった雛形はあるはずです。それに少し加工を加えたものを送れば相手の時間を拘束しません。そして相手が読んでくれてここのところをじっくり開発担当や現場責任者から聞きたいとなって、詳しいことを直接会って話せるのです。プレゼンを受ける側としても、資料に目を通し、気になる部分は直接聞いて、詳しい情報や相手の顔色や話しぶりなどから、背伸びした粉飾気味のプレゼンか、実直なものかは会わないと分からないものがありました。外国人の場合さらに会わないと全く誤解があることが多々あります。日常的な会話はできてもビジネス用語や駆け引きのためには通訳もつれて会う必要がありました。
ビジネスが全てオンラインででき、新幹線やリニアなんか需要がどんどん減るという意見もありますが。少し違うと思うのはこういところです。
観光にいたってはさらにリアルでないと意味はありません。バーチャルな旅も面白いですが、所詮は予習にしかなりません。
日本の鉄道の150年で鉄道シーンは随分変わりましたが、心を通わせるためと、間違いのないビジネスを効率よくするために鉄道があることに変わりはありません。