カタールW杯の暗部は日本の未来?     大阪万博の後、札幌冬季五輪、愛知、長野、日本W杯と繰り返されるのか

 私もサッカーファンで、それはそれで、開催されてトップアスリートが競い合うのが見られるなら楽しもうという感じでワールドカップを見ています。あと4試合だけになりました。

 日本に敗れ屈辱の予選リーグ敗退を強いられたドイツチームが、試合前にグラウンド上で手で口をふさいで映った集合写真とともに、「人権問題は譲れない」意志を表現していました。インフラの建設中にインドやバングラデシュなどの外国人労働者およそ6500人が亡くなっています。死因の多くは50度以上にも及ぶ、猛暑の中での長時間労働に伴う水分不足など労働環境だそうです。また建設場の安全性も水準を下回っており、事故で亡くなる方も多かったのに、カタール政府は補償も見舞いもしていないということに対して人権蹂躙、人種差別との声が以前から上がっていたのです。

 今回の開催にあたってインフラに約200,000,000,000ドル(約30兆円)程かけているといいいます。また猛暑の中東で初開催、シーズンの途中という異例ずくめの時期など、カタールから多くのマネーがFIFAやロビー活動に流れているという説が強く、当然この規格外の投資と裏金を使う成金ぶり、片方で低賃金の外国人をこき使うスタンスに批判する声も多いということです。

 おりしも東京五輪の汚職が次々と今になって明るみに出ています。そんな中で札幌への2度目の五輪誘致が一部の反対はありながらも、しれっと進んでいます。

 東京五輪でも、コンパクトにやると言いながら莫大な税金が投入され、不正なお金も流れています。東北被災地の復興五輪との名目も有名無実化しました。

 今、物価高で、防衛費やコロナ関連などで増税や福祉の低減が噂される状況で、これ以上の国庫負担が増えるようなことが、官主体で一方的に進んでいいものでしょうか。マスコミは今回も裏で莫大な利益を得ている電通に仕切られて、W杯ヨイショ、ガンバレニッポン、五輪ヨイショ、スポーツは感動!世論を徹底的に盛り上げます。アスリートは頑張っているとの同情や共感も上手く拡散されます。

 一人一人のアスリートを見れば、冬季五輪もフィギュア、ジャンプ、スピードスケート、カーリング、どれにも応援したい人が私にもいます。しかし、地元有利とか未来のアスリートになる子供に生で見せられるとか言ったところで、是が非でも日本で開催せねばというものではありません。

 冬季の参加国は、サッカーのW杯予選や夏季の五輪よりはるかに少ないウインタースポーツのできる豊かな国に限られます。実は冬季の五輪は立候補都市がないぐらいで、札幌は遠まわしにIOCに押し付けられているようです。何とか今の汚職の件が下火になる来年か再来年に決まるそうです・

 日本は何もかも手を広げ、最新の競技場、宿泊施設などを作り、選手の環境から、放映権まで大金を払い、還元されるその利益は一部の権力者が受け取り、ツケは税金で市民に回るようになっています。ゼネコンや広告代理店、人材派遣会社が儲かれば、景気が良くなりまわりまわって市民が潤うかのようで、実は多くの市民には借金だけが残ります。スポーツの感動や勇気が貰えても、要らない人もいますし、外国で開催しても同じです。

 人口が260万人ほどで、カタール人は30万人しかいないという国の構図は、未来の日本の縮図なのでしょうか。一つの選ぶべき道なのでしょうか。
 そこまで外国人の移民を認めて、支配するのは日本の事情では少し無理があるかもしれません。しかし日本も人口が減り労働できる若者が減ると否応なく、インフラなどの労働にも外国人が今以上に条件付きで必要になるでしょう。

 日本の風俗、習慣、文化を保ち、もちろん治安は維持しながら移民、外国人労働者をどういう風に受け入れていくかは、これからの日本の大きな課題でしょう。
 人口が減り、コンパクトでも国民が幸せな国家を目指す選択肢も当然ありです。日本とサッカーで対戦した中米のコスタリカはそんな感じの小国です。北欧の福祉国家もいろんな面で参考にはなるでしょう。

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