親米というのか、対米従属、アメリカべったりの自称右翼系の方は日米同盟が最優先で、会談で岸田総理が親密な連携強化と反撃力を持ち防衛費増大を誇示することを賞賛し、懐疑的な意見には猛烈に非難するでしょう。
しかし、今の国際情勢の中でそれが対米緊密アピールが絶対的な正解とは言えない、当たるも八卦当たらぬも八卦の賭けです。当たる確率は高くとも、外れた際に蒙るリスクは大きいです。日本は歴史的にも同盟の選択にはあまり成功していません。外交的な詰めの甘さと、判断の悪さがあり、外交下手なのでしょう。
中東方面では、親米のイスラム国サウジアラビアやアメリカ傀儡のように思われていたイスラエルがアメリカとの距離を置き、中国との連携を強化しています。これは親中と言う意味合いではありません。誤解のない表現をすると、アメリカへの従属度を相当程度弱めバランスをとっているということです。
中国の現在の政治体制も瓦解するという可能性はあり、時期は特定できないにせよそれほど遠くないうちにある程度体制は変わるのではないかという見方が強いです。
考えられるシナリオが追い詰められた中国の台湾へのアクションによる有事です。直近で最悪のものは近いところにある米軍基地のある沖縄に戦火が飛び火することでしょう。
防衛費を増大し、反撃能力を有することには議論もありますが、そこは必要としましょう。泥棒やならず者が要る中で、丸腰で鍵もかけないわけにはいかないからです。しかし、あくまで自国の防衛力を強化するのと、アメリカと強く結ぶことは別問題です。
台湾の問題でいきなり中国がアメリカ本土にミサイルが撃ち込まれることはないでしょうっし、爆撃されることもないでしょう。アメリカは苦戦が続く、第二次大戦後の朝鮮戦争、ベトナム戦争から冷戦を経て中東やアフガン以降、どの戦争でも自国の領土は無傷です。戦争で儲けたい戦争をしたいという武器を売りまくりたいという層が支配して、兵士という職業がある国ですから他国で定期的に戦争があることが欲せられている経済の前提なのです。
アメリカと中国がどちらが勝つとかいう議論は意味がありません。中国が暴走して、そのとばっちりを受けるのが日本の領土や国民であることに愛国者として反対するということです。
こういうと、『弱腰』とか『お花畑』『ロシアや中国には国際的に制裁しないといけない』と平和的外交的努力を全否定する方がいます。前提として自国を護る防衛力は必要としています。その上でアメリカ一辺倒な無駄に危険だということです。第二次大戦中のドイツ、ソ連と同じことです。当時のドイツとアメリカでは比較にならないという方もいますが、ナチスドイツに日の出の勢いもありプロバガンダにころりと騙されたのです。そしてもう一つあえてソ連と書いたのはソ連と日本は軍事同盟ではないですが、かなり綿密に不可侵条約を結んでいましたが、いざとなると守るどころか一方的に攻めてきました。同盟や条約など当てにはできないということです。
国を護るのは自国の強い意志であって、状況判断の賢い外交です。他国追従、アメリカでもNATOでもないです。サイバーテロや、原発のテロなど、裂けきれない戦火はいつ起きるかわかりません。いたずらに同盟色を強めても危険は増すだけです。