著名なタレントが『現代は新しい戦前』という言葉を使い今の世相、風潮を心配していました。
最近読んだ本の中に、戦前の軍部の勢いとそれを鼓舞する国民の危うさを描いている作品がありました。歴史を後世から見てしまうと結果が分かってしまい、神以上の視点からリードされるのでそこは差し引いて考えないといけません。
しかし、古来戦争に対する戦略、兵法というものは深く、政治やビジネスにも重用されてきました。
漢書の刑法志に「善く師する者陳せず」「善く陳する者戦わず」「善く戦う者敗れず」「善く敗るる者滅びず」というのがあります。
うまく軍を動かす者なら、布陣せずに解決する。その才が無くても、うまく陣を敷けば解決する。その才が無い者も、うまく戦えば負けない。そして負けるとしても上手く負ける才ある者は滅びない。というところでしょうか。
軍備とか防衛費と言われますが、戦いというものは、開戦前から始まっており、戦闘に入らずに終わることもあるということです。戦争反対ということではなく、勝つにもいい勝ち方をすること、負けるにも善い負け方に留めることが大事というのです。
よく勝負事は勝たないといけないと、思い込みかえって自分の戦い方を忘れて失敗をし、勝っても悪い勝ち方をしてしまう人がいます。
そんな人に導かれ、間違う国家があってはなりません。
漢書どころか孫子さえ読んでない政治家では心配です。