リニアや北陸新幹線大阪延伸を待望する街もある

 静岡県の反対でストップのかかったリニア中央新幹線、詳細ルートも工事も定まらぬ北陸新幹線の敦賀以西大阪延伸。水の問題で生活や産業を脅かされる街、並行在来線で切り離される街、受益を受ける人と損害が予想される人で対立軸もできて、難しい問題になっています。
 西九州新幹線延伸、北海道新幹線延伸も相当な並行在来線問題や自治体負担で逆風ながらの見切り発車という感じです。京都在住の私でも、小浜、美山あたりから北陸新幹線が京都駅に深い地下へ接続するルートなど想像もつかないところですし、リニアはルートにもなくとりあえず恩恵がありません。名古屋までの開業時には新幹線で名古屋プラスリニアでしょうか。北陸は敦賀延伸で関西からは金沢へサンダーバード直通が難しくなり、乗り換えも不便で料金も上がりそうです。何だか今仕上がりつつある敦賀延伸でもうええやんという感じです。

 リニアは名古屋までさえが、生きているうちに見れるか心配で、反対派の意見も根強く炎上しやすいテーマになっています。
 水の問題でいうとリニアの静岡だけでなく、北陸新幹線京都周辺では伏見の醸造用地下水の問題もあり、延伸反対も出ています。
 そして反対派は、計画そのものに対し、コロナのテレワーク、オンライン授業なども追い風もあり、不要論に繋げます。
 とはいえ、新幹線やリニアを待望しているところもあります。北陸新幹線延伸でいうと福井県の小浜市、リニア中央新幹線では長野県飯田市、岐阜県中津川市あたりでしょう。小浜市、飯田市では特に在来線で、東京、大阪に出るのがとても不便で、新幹線、リニアが来ることを周辺自治体含め、市と地方の活性化、再生計画に大きく組み込んでいます。名古屋、大阪と東京首都圏を短時間で結び、メガ都市圏を形成することに注目が集まりますが、選ばれ限られた範囲ですが地方の活性化を担っています。

 飯田市で9万人弱、小浜市には2万8千人の小規模な都市です。両市とも、伝統産業や文化、古いお寺などの地味ですが観光資源も豊富で、この地に住む人にとってはそれこそ生きている間に見たい乗りたい新幹線でありリニアです。自治体の計画はそれで進んでいます。それぞれ『海の奈良』『南信の小京都』と言われており過疎で朽ち果てさせるに任せるのは惜しい街です。

 いくつか、ルート変更してでも早急に開通をという声もあります。リニアに関してもかなり検討はされていましたが、技術論や他のルートを見ても変更の可能性はほぼないようです。
 北陸新幹線も未だに小浜すら通らない米原案や、湖西案が蘇りかけますが、小浜は変わりはないでしょう。ただ小浜以降京都までも、舞鶴経由や美山経由など輻輳しています。

 工事が着工以降時間がかかるのは、工費が嵩むばかりで、JR本体の負担も増え、利用者負担も増え、地域の活性は遅れます。作業場を抑え契約しているゼネコンが儲かるだけです。
 静岡の水も伏見の水も大切で、見切り発車は許さないと当事者が反対することも心情的には頷けます。コロナの影響で不要論まで出ると議論がややこしいのですが、すでに不要論まで後戻りできる進行ではありません。反対の方もごね得を狙っているわけではないでしょうから、正直なところ反対しても『そうですねじゃあ、やめます』にはなりません。JRが苦しむだけ、利用者が待たされ負担が増え、最終的に、不毛な時間経過で、誰一人得はしないのです。最終的には行政と企業のトップが頭を下げ、早急に『やります、やめます』を早く宣言して、決めることです。 

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