お笑いと反社

 昨日もR-1というピン芸人のナンバー1を決める番組がありましたが、M-1、キングオブコント、その他漫才大賞など登竜門となる番組、イベントも人気のあるキラーコンテンツです。毎年、巨額の賞金とともに、一気にスターダムののし上がるサクセスストーリーのような物語の魅力と、実際にテンポの良いお笑い、芸術的なものさえありネタの工夫され新鮮です。
 しかし、雰囲気は盛り上がってスターは量産されますが、芸として長く続くのかというと、何となく大御所を取り巻くひな壇芸人クラスの小物が増えて、俳優やMCやコメンテーター、ユーチューバーなどで稼いでいく売名の場にもなっています。

 古典落語も正当的な漫才も関西では正直下火です。笑いの主流はコント的なルッキズムやシチュエーションの面白さになっています。
 芸と呼べる領域かどうかは難しいところです。

 このお金が大きく動き、お笑いが量産される背景には、企図された経営的野心、政治的な思惑があります。多くの世論は結構お笑いの芸人のわかりやすい説明に左右されています。
 過去の時代でも、お笑いが世相風刺や政治批判を堂々とやっていたものですし、逆に権力の政治的な意向に従い、戦争や経済のプロバガンダに芸人が利用されたケースもよくあります。

 才能とお金や権力への欲望、野心をもった者が、反社的な支援を受け、政治のウラ側でも権力と結びつくと、性質の悪いことになります。

 昔の大芸人にも、桂春団治さん、藤山寛美さん、横山やすしさんら強者が大勢いました。昔の人々でも興行ですから、反社との結びつきも今よりアッケラカンで、お酒や金銭、女性関係も酷いものがありました。しかしどこか、権力と結びついてお金を儲けるというよりは、借金まみれで、泥まみれという芸の肥やしにして自らはボロボロという感じでした。今のお笑い界は、大御所が番組を差配し、冠番組を持ち、カースト上位になってイジメやいじりで年収何億というのがもう何十年も続いている状態です。政治と裏の権力とも、結びついています。河原乞食とは程遠い、金満です。潮目が変わったのが、日曜のある報道番組もMCに漫才師が進出した時です。お笑いだから面白ければいいというものですが、何かが昭和とは大きく変わってきています。
 吉本興行というところは戦中は軍部、戦後もGHQ、権力と常に結びつき、裏の世界とつながりながら大きくなってきました。東京にも進出し、あれよあれよという間に多くの局の番組を席捲して、支配的な存在になりました。
 さすがにこれ以上は詳しく書けないです。

 芸としては、楽しめるのですが、お笑い芸人がこれ以上政治に利用され、あるいは利用する側に立ち絡んで欲しくないものです。

 

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