青春18きっぷもそのうち無くなる? グループとしてのJRの面白さ、サービス低下

 春休みのシーズンにも青春18きっぷが売り出されます。JR各社ごとにも企画切符はありますが、普通快速だけとはいえ、全国で乗り放題になるのは青春18だけです。青春とは名付けられていますが、年齢制限はなく中高年のファンも多いです。この企画切符の発売がそろそろ中止になるのではと、ファンから危惧されています。

 体力がなくなり、やや長い普通席が難しい高齢者にはグリーン車に乗れる各社のパスもチョイスでき併用もできます。ロングランの普通が減り、青春18難所ともいえる本数の少ない県境や、盲腸線などを考えぬいてめぐるややマニアックなゲーム感覚で楽しむ向きも増えています。しかし、一般的にはいくら割安でも、対象列車、路線が減り普通座席に長々と乗り続けるのは苦行であり、存続が危ぶまれます。

 JR各社は赤字ローカル線の切り離しをぶち上げており、廃止か三セクの道をあと数年で歩む路線は増えます。新幹線の並行在来線も三セク化され、ズタズタに切られ短くなって、名ばかりの「信越」だとか「北陸」だとかの本線があったり、三セクを通らないといけない孤立路線も増えていき、現実的に青春18の将来的な継続が難しいことは想像できます。

 JR各社の分配や、都市部の深夜ルールなど、細かい問題で扱いにくいからとの話もよく出ます。JR各社は豪華な寝台を持つクルージング列車を、夜行として自社エリアだけで完結して走らせるようになりました。かつての東海道九州ブルトレが全廃したのも、JRの各社間の分配が難しいためと言われています。今、唯一残るサンライズ出雲、瀬戸も人気列車なのにこの理由で車両更新の時期には廃止が噂されます。青春18と並び、外国人旅行者向けのジャパンレイルパスも売り上げ分配が難しいと言われているので、各社にとって厄介なのでしょう。
 デジタルの時代で、ICカードのよる収受が当たり前なので、そういう面では紙の切符にはこだわらないので、SuicaやICOCAでの青春18が研究、開発されてもいいのではないでしょうか。顔認証で改札が通れるぐらいの技術が進んでいるのに、運賃の分配ができないというのはおかしい話です。少々面倒でもやるべきサービスは残してもいいと思います。それが接客業、サービスというものです。そもそもルールがおかしいのでないかと思います。按分するにしてももっと各社が納得できるように話を詰めれば、WINWINの関係にできるのではと思うのです。
 これを書くと、鉄道マニアの方はしたり顔で、分配の難しさを詳しく反論してくる方がいるのですが、正直その程度のことは知っています。だいたいJR各社の境界など、一般のお客さんは知りません。県境でもまして国境でもないのです。で、解決できないほどの問題でもなく、やる気がないだけです。
 人気の切符や、人気の列車が会社間を超えて、お客様が喜んで旅をして自社エリアにきてくれる。できない理由、やりたくない理由を語って、旅行ファンをだますのではなく、JRは旅の原点を忘れているのではないかと思うのです。

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