球春 やはり野球の国?日本

 センバツ高校野球がコロナ対策の制限なしで3年ぶりに通常に開催されます。
 WBCも日本が大谷、ダルビッシュ、佐々木、村上らドリームチームとも呼べる最強布陣で快進撃で、東京ドームも満員、視聴率も40%以上を稼ぐ、まさに球春でコロナも消し飛ばされる躍動です。

 WBC日本代表はメジャーリーグのスターや日本の各球団の主力が集められ、4番やエースでも控えに回るぐらい贅沢な選手層ですから、おそらく優勝に近づくでしょう。世界的にもトップレベルのプロリーグが少ない野球ですから、WBCにお金をつぎ込んでいるのは日本とアメリカぐらいで、大会形式も日本が決勝に行けるように組んであります。
 世界的な野球人気普及の命題もあり、サッカーのW杯のような国籍要件はなく、ルーツがある国から出場でき、ヨーロッパ等からアメリカに入った人がイギリスやイタリアの代表となり多くの国と地域が参加した世界大会の雰囲気は出ています。それでもシーズン前のオールスター戦という意味合いは強く、投手の球数制限なども、米メジャーの投手のオープン戦での調整過程に合わせています。
 先日は日本の源田遊撃手が負傷して、復帰はできそうですが、プエルトリコの抑え投手ディアス選手はメジャー大型契約をしているのに重症のようです。シーズン前の大会で負傷をしてしまうと元も子もない感じです。

 大谷選手は切り取られないインタビューでは「楽しむ」という言葉は必ず使い多用しています。「大事な試合」ではあり、ベストを尽くすのは当たり前でも国の名誉のために何が何でも危険を冒し、選手生命を縮めてまで身体を酷使するものではありません。ベースボールはプレイボールで始まる楽しむものですし、戦さではないのです。
 WBCが始まった初期や、当時のオリンピックの野球でも、当時のファンやプロの監督でさえこの球数制限の感覚が分かりませんでした。エースの連投や、犠牲精神、そこからの命懸けのプレイが日本の野球美学だったのがつい最近です。

 それにしても大谷の体幹にせよ、他の選手の投打のパワーやスピードにしろ、もうすっかりアメリカなどの外国人に勝るとも劣らないようになったのはスゴイ時代に来たと思います。

 あとはこの人気で底辺、裾野が広がることと、人気のある試合とは言え3時間超えはやはり長すぎです。ピッチクロック(投球時間間隔の制限)、ワンポイントリリーフが禁止になったのなどは良いことですが、イニングの間が長すぎです。投手交代の人数も負傷以外は制限でもいい気がします。
 放送権料がからむのでしょうが、地上波テレビのCMタイムを長々とるのは止め、試合中のバナー広告などにして、5回、7回ぐらいに少し間をおく程度で、サッカーのように集中すれば2時間半には収まります。WBCがいくら盛り上がっても、スターが全て日本のプロ野球に揃うのではないので、地上波のプロ野球中継はそうはないはずです。完全中継はBSやネットだけで、そもそも3時間もテレビの前で釘付けは無理です。
 故野村克也あたりでも、ワンポイントリリーフは好きな戦術でした。弱者の戦略が好きで予告先発にも反対でした。そういう長く時間かけた戦術の野球の好きな人もいるでしょうが、時代は変わっています。野村理論の配球などで通用する戦術も面白さも残ってはいますが、今は鍛え上げた人気選手の正々堂々のパワーと技量のぶつけ合いがメインになっています。
 WBC後のNPBの盛り上げというのは、一つの野球人気の正念場でもあると思います。

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