近鉄奈良線平城宮址移設凍結に賛成

 別に政治的にどこの政党を推すとかの立場ではなく、鉄道や関連インフラ、財政の問題とかからの話しです。 

近畿日本鉄道(近鉄)奈良線の大和西大寺―近鉄奈良間。小学校でも習う奈良時代の首都、「平城京」の宮跡(国営平城宮跡歴史公園)を横切っています。

 平城宮跡は国の特別史跡で、1998年には世界遺産に登録された文化財。そこをを電車が通り抜けているのに違和感を訴える人もいたようです。奈良県・奈良市・近鉄の3者は2020年7月16日、路線を南側に移し、JR奈良駅寄りに油日駅を設け地下線区を拡大して近鉄奈良駅に結ぶ大規模な線路移設案を基本に協議する方向で合意したと報じました。これまで移設に反対していた近鉄が譲歩し、工事完成は20年以上下手すると工事の場所の性質上40年先になるようですが、この光景も見納めと鉄道ファンからも囁かれていました。しかし、これはこれで風情があるのにという声も強かったものです。

 そして、また事態は変わりそうな雲行きもあります。奈良県知事選で例の地元県連代表でもあった高市早苗さんがいろいろやらかし、自民党支援が混迷し、保守分裂となった結果、漁夫の利のような感じで維新の知事さんが誕生しました。大阪以外で初めて維新の知事ということで、例によって、多くの支出をいったん見直すと宣言されました。2000億も県が負担するという線路移設案も待ったがかかりました。

 まだ完全に凍結か歯分かりませんし、別に維新推しではないのですが、個人的には、いいことだと思います。この電車が平城宮を通る光景、私は好きですし、百歩譲って景観を損ねているとしてもそれだけのためなら、2000億も血税を使い鉄道会社に負担もかけ移設しなくてもいいと思います。そもそも、近鉄が企業として採算取れず嫌がっていたものに県民の血税を無理に投入しないで、福祉とか子育てに回せば良いのです。
 ただし、踏切をなくして立体交差にしていく、部分的な工事はある程度必要です。個人的には安全や渋滞を考えて西大寺から高架で新大宮まで作り、平城宮周りは現行通りでいいとも思います。この工事でも近鉄と奈良県はかなりの負担でしょう。
 これからの新線も、是々非々で公的支援は検討され、重複する路線もあり代替可能とか、無駄なものは工事しない検討が必要です。
 たしかに考古学や発掘のロマンを追う人には今から40年かけて平城宮址を掘るのもありなのでしょうか、そこはよくわかりません。

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