平均年収、退職金は横ばいで最低賃金だけが右肩上がり

 1959年、昭和34年生まれの私は高度成長期に子供時代で、勤めだす頃には安定成長から、バブルとその崩壊の低成長時代を迎えました。
 親の世代が戦争を跨ぎ、敗戦から戦後復興の激動を経験しているのに対し、私たち以降は、平和なとくに大きな変化が何もない時代を過ごしました。
 冷戦やその終結、局地戦や、災害、事件事故は多々ありますが、大きな社会の仕組みが出来上がっていたものを踏襲して、なぞりながら微妙な変化があったに過ぎないのです。
 格差が広がった、昔は良かったという不満もよく聞かれます。この間、企業の盛衰もあり、賃金にせよ年金や、公的保障など時代とともに変化はありました。
 大きな変化というものに、女性の社会進出、雇用機会の均等などがあげられ、休日や残業の規定など労働環境全体に良くなりました。
 先日も、人件費高騰で、価格改定の承認を求める資料に最低賃金が右肩上がりに上昇しているグラフが示されました。確かに、その承認に関わる人件費の多くは最低賃金に近い高齢者に依存しているので、大きな間違いではありません。しかし、承認する側の所得は増えているかというと、明らかに横ばいであり、物価高騰で実質マイナスなのです。
 最低賃金は上がって、末端の社員は少し上がっても、一般の職員や管理職までは上がらず退職金は減っているのが実情でしょう。バブル崩壊以降、非正規比率も上がり、企業は業績不振をこのあたりの人件費抑制で逃れたところもあります。

 私たちが学生でアルバイトしていた頃、450円ぐらいの時給でしたので、今はほぼ倍になっています。ところが私の時代の大卒初任給が13万とか15万でした、その後2~3年で17万ぐらいになっていましたから、その後伸びず今が20万程度で、天引きの社会保険料が増えていますから、大卒社員の待遇は40年近く横ばいです。
 ちなみに、その少し前昭和30年ぐらいは、初任給7万ぐらいの時代で、まさに所得倍増だったのです。
 悲しいかな、平均所得はここ20年全く伸びず、波はあってもほぼ横ばいで、退職金は大幅に下がり、年金は実質目減りです。
 社会全体が苦しいのですから、そんなことは言ってられないので、中高年でも、子育ての終わった女性でもリスキリングして働く、ノマドなどスキマで稼ぐ、あるいは貯金ではなく、賢く投資を学んで増やしておくことが求められます。
 資格を取るとか、儲け方の勉強などは昔より安価に学べます。今さら、リスキリングとか勉強は嫌いだと言う人は、贅沢をとことん我慢するしかありません。

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