私の子供時代は、高度経済成長期の昭和、下町の商店街で育ちました。今はウチも実家は店は手放しましたが、当時は向かいが野菜などの生鮮食品を扱う店でしたし、歩いて1分の3軒ぐらいの御近所に競合する八百屋や、総合食品雑貨、豆腐屋がありました。金曜日が商店街全体の特売で、各店がしのぎ合い、すずなりの人が買い物に来ていました。コンビニやドラッグストアはもちろん、総合スーパーや食品スーパーも京都市内にはまだない時代で食品などの最寄の日常品買いの商圏が広かったのです。
両親は土曜も日曜も休みではなく、月に一度だけ定休日がありました。普段は祖母としか遊んでもらえなかったのですが、月に一度の定休日だけは父母と遊べるので楽しみにして学校から早く帰っていました。
やがて、月の中の日曜日2回だけが休みになりました。商店街の店もやがて生鮮以外は日曜は休みの店も多くなりました。平成も暦を重ねると、だんだんお客さんはスーパーに取られ、生鮮の店も苦戦しだして撤退もでてきました。コンビニやドラッグ、量販店に食われる業種も増えて、日曜に限らずシャッターを閉めるところが増えだします。
それでもイベントの企画や、新しい個性的な店が入ることで、買い回り目的や歩く楽しさのために、そこそこのお客さんを集める商店街であり続けてはいます。
大きいところは日曜もやっていますが、私が今住んでいるところの最寄でもそうですが、最近は土日祝は休みの飲食店や月曜火曜と連休の美容理容なども増えていて、働き方改革もあるのでしょうが、高度経済成長期の労働時間と比べると隔世の思いです。
私がサラリーマンになった頃は、まだ隔週週休二日で、土日のサービス出勤もしょっちゅうでした。
こじゃれた働き方ができる時代なので、昔のブラックに近いそれがいいかとは言いませんが、コロナの影響だとかで潰れてしまったり、すぐやめてしまう店もまた多く気構えが足りないような感じのところもあるのではと思います。
セミリタイアした方の趣味的なものならまだしも、これから子育てなどでお金がいる世帯が週休2日というのは、高度経済成長期に休みなく朝から晩まで働いた世代からみると贅沢すぎるように見えます。
それだけ働く時間が短いのが当たり前なら、個人の商売によっては長い時間店を開けることが差別化、優位性を持てる時代かもしれません。ただし、コンビニや大手で休みなしと競合しない業種には限られます。成功し、繁盛するような経営はたとえオープンしている営業時間は短くとも、研究や修練、情報収集などに隠れていても時間をかけ戦略を練っているのでしょう。