
やや難しい言葉でいうと、日本のさまざまな行政、社会保険などの手続きは申請主義です。
申請主義とは
サービスの利用に本人や家族からの自主的な申し出(申請)が必要であることを いいます。 申請主義に基づくサービスの利用においては、利用者が自分自身の問題について理解した上 で、必要なサービスを選択・決定し、その利用希望を表明することが求められるのです。
役所や年金事務所での経験ですが、こういった仕事に関わりながら、いざ自分が逆の立場になると、めんどくさい上、そういえばこんな添付書類が要るんだと辟易します。
手続きを受ける側でお客さんに「マイナンバーが分かれば、役所はオレの情報なんてみんなお見通しじゃないのか」と逆切れされたこともあります。
国民年金の保険料を失業特例で免除する場合なども、督促は何度も出します。未納者は自ら申告し、離職票やハローワークの失業給付の証明などの添付をすれば免除されます。受け付ける側はまさに、厚生年金の履歴で失業されたのはほぼわかっていることで、添付書類を求めると紛失しているケースもあります。再発行依頼を本人がして再度提出させるのもなかなかのハードルなのですが、それが申請主義の原則、ルールですからやってもらうしかありません。
若干守秘義務にもかかりますが、当然、離婚して絶縁の配偶者の失業証明など、入手不可の場合など、年金と雇用の組織で連携すれば調べて対応する方法はあります。しかし、そういう事情が無い方は、自分で書類手配しないと受け付けません。
めんどくさいお客さんに対して、裏技的に対応すれば、ゴネたらあそこではやってくれたと広まれば拡散して大変なことになります。その局面では親切でも、全国で統一するサービスになりません。
年金の請求手続きに、住民票、家族の戸籍、雇用保険、通帳などがどれだけ、なぜ必要か、実際には調べればわかることも多いはずですが、これもルールです。相続や年金受給などは、間違いが許されないのは分かりますが、不正を行う方もしたたかに揃えてくるかもしれないので必ずしも抑止効果とも思えませんが。
簡略化は出来ないと分かっていても、書類を早くそろえるのが意外と難しいものです。私が民間企業を定年退職した時は、有給を取る前の最後の出社日に、退職日(予定)を記入した離職票が貰え手続きはタイムラグ少なく進みました。
ところが直近、2カ所では、離職票も社会保険喪失証明も相当な時間経過後に送られてきました。健康保険を切り替えるのに時間が経過するのは、持病で通院している人などは大変面倒くだいものです。
離職票は賃金系計算があり正確に出すのは時間がいるのもわかりますが、社会保険の喪失証明はその場で出せる程度のものです。
離職票も、離職月の賃金が結局未入力、手書きが多く、失業給付の際は直接やり取りされます。要は本人が持ってるかだけの話です。それなら、公務員の退職辞令同様、記入項目は離職しましただけでいいはずです。社会保険は扶養者や、健康保険など加入未加入ありますが、それを記入する欄を設けた離職証明書にすれば、一元化できます。
転職をしたことの少ない方にはわかりにくい話ですが、ハンコをなくす以上にムダな書類を減らすことを考えないと行政もスリムにはできません。マイナンバーカードに保険証を統合するという、大きな改革を進め、セキュリテイや紐付け間違いで騒がれますが、一つ一つの申請の添付をこれからどう簡略化できるかということを、本当にわかって進めているのか、大小無数のハードルがあり、そのハードルが無くなることは市民の煩雑な手続きが一つ減るということなのです。