若い頃でも長いこと働いていると、ときどき。あるいは人によってはブラック企業とかで毎日「働きたくない、お金さえあれば辞めてのんびりしたい」と思う時があるでしょう。
でも退職金3,000万円、貯蓄4,000万円。ファイナンシャルプランニングや年金相談などでは理想ともされる大手企業の元役員や部長さんとかでも、幸せな老後ではないという衝撃です。
60歳ですっぱり定年で悠々自適の方。
60では役職も退くか上がり目は少なともなくなりますので、遅くとも65歳では規定で延長もおしまいで円満退社。
いずれも場合もそれだけお金があれば幸せじゃないかと思われても意外とそうではありません。
その理想的ともいえるキャッシュフローの家計でもいざ辞めるとあれほど楽しみにしていた「毎日が日曜日」
旅行も孫の世話もし放題のはずが、結局『ぽっかり穴があいた』『やることがない…』と自宅に引きこもり『あぁ、あの頃に戻りたい』『これからどうしよう』と言う人は案外多いものです。
定年退職した後の生活、定年前からイメージし、具体化できてないからなのでしょうか。仕事一筋で頑張ってきた人のなかには、時間があったとしても、何をしたらいいのか分からない……というケースも珍しくないようです。
エリートだった人がかえって「定年退職」を機に激変、鬱、引きこもりはよくあるのです。
子供には、「老後は、何も心配ない。だから自分のためにしっかりと働きなさい」と言われてたとか。
定年退職金は4,000万円ほど、貯蓄も3,000万円程度、さらに株式や投資信託などもあり、定年までに老後に向けた資産形成は完璧だとか。「頑張って働き続けたおかげ」ご褒美とばかりに退職後に夫婦で1ヵ月ほど海外旅行をし、よほど楽しかったのか、帰国後、写真や動画をイヤというほど見せられ、自慢話を子供や周辺に語っています。
しかしその方はその後……燃え尽き症候群で鬱、ひきこもりになられたそうです。
このようなケースは、決して珍しい話ではありません。
お金の心配だけでなく、メンタルというか老後やることへの計画は必要です。
暗い話ではありますが、お金が全てではないこともこれは証明しています。もちろん収入や貯金が少なければ良いわけではないですし、それはそれでもっと苦しい時代です。
確かに貯金も退職金も少なく、年金の10万か20万チョイでは夫婦二人、現役時代なみには暮らせずに老骨に鞭打ち、無理して働くのです。それがイヤならますます苦しい時はあります。
酒やギャンブル、買い物などに回すお金はこのご時世限られています。病気や事故、大きな出費があれば経済的な歯車はイッキに狂います。
内職やボランティアでも少しは働いていると新しい刺激を受けます。
そのことは人生の目的、居場所の証明になるのかもしれません。
お金を少し持っている人でも、先々不安で出歩くのを抑え気味だとストレスが溜まります。
そこは良く計算をして、近場を狙うなどうまく使って出歩かないと引きこもってしまいます。限られた予算で賢く遊ぶのはこれからすごく良いミッションだと思います。