初めてカミングアウトする話ですが、毎年この時期夫婦であるお寺にお詣りに行きます。
私たち夫婦にはもう成人した子供が姉弟二人いますが、その下にもう一人授かった子供がいました。
この頃、下の子に難しい病気が見つかり、妻自身も乳がんの疑いがあり、心身や経済状況を考えてもとても3人目を産める状態ではありませんでした。
細かな経緯は私も忘れましたが、何度かの受診の後、最終的には【流産】したと私は聞いていて、この件に関してそれ以上の夫婦の会話はありませんでした。私も仕事はそうそう席を離れられない会社で、有給もなかなか取れず、妻の母はじめ今思えば随分身勝手に負担をかけました。
その後、私は仕事や看病で、何度か夢うつつの中で3人の子供が遊んでいるのを見ました。小さな男の子です。
関西に戻って少し心の余裕ができた時、妻と長男の病状の膠着もあって、このお寺へ供養に行きました。
それ以降、ほどなく二人は元気になりました。住み慣れた京都で特に実家も近いことも幸いしたのか、妻は乳がんの再発後のステージⅣからキャンサーサバイバーとなり信じられない回復振りでした。
毎年、梅雨の時期、観光地に近いお寺に、会話も少なめに子供用のいお菓子をお供えに用意して訪れます。
いつもお寺の中の小川にイトトンボを見つけます。
今年は、庭の改修か業者さんが手入れをやっていてトンボはいませんでしたが、同じ日の買い物帰り、ハグロトンボがつきまとって来ました。とても暑い日で、元気なさそうにふらふらと私の傘に止まりました。激しい夕立の後、元気ない様子でずっと帰宅後も傘にとどまり、やがて完全に動かなくなりました。
胴の青いキレイなトンボでした。神の使者とも言われるそうです。
生命の儚さ、少し悲しくなりました。