税金を使う?お仕事

 この道具が何かすぐ分かる方は、一般には少ないのではと思います。
 私も公務を生業にするまで、そんな存在も知りませんでした。
 これは法務省や裁判所の御用達、東京の小さな?ハンコ会社の作っている収入印紙の消印器です。
 デジタル化とはいえ、私の仕事である司法事務ではまだ、電子データが不可で収入印紙での課税申し立てが中心で、この消印器をゴロリと回し、1500円也とか時には20万円とかの収入印紙を、瞬殺しております。高額の印紙は、偽造防止などもちろん意匠もそれなり凝っていますが、お札に比べれば金額の割に『これがそんなに高額』とは思えないほど小さく、最初の頃特に慎重に扱っていました。
 行政や司法では、他の手段での直接間接の納税を財源とするものと、印紙税法で定まった課税文書の手続きによる税金の2しゅるいがあります。
 10万円の小さな紙きれに、市民の方のいろいろな思いがこめられているというのもまた気付くと重いものです。
 守秘義務にもなり、詳細は書けませんが、司法の手続きは、本人の一生、名誉の全て、場合により生命に関わるものです。
 安易にデジタル化もできませんが、デジタルの波はきます。他の行政や司法事務には波が来ています。

 契約書や領収書に収入印紙の貼り付けが必要とする根拠になっているのが「印紙税法」です。「印紙税法第3条」では、課税文書を「作成」した人に印紙税を納める義務が生じるとされています。

 そして、具体的な「作成」の内容について述べているのが国税庁の「印紙税基本通達」です。「印紙税基本通達第44条」に書かれている「作成」の意義の中には、「相手に交付する目的で作成される課税文書を交付したとき」とあり、電子データを「送信」する行為は「交付したとき」に当たりません。

 そのため、電子化された契約書・領収書の発行には、印紙税がかからなくなるとされているのです。
 デジタル化となると〇〇士は要らなくなるとよく言われますが、公認会計士、弁理士、行政書士、社労士、税理士などは多かれ少なかれデジタルで代替され、仕事は減るでしょう。
 裁判官や検事はむしろAIでも可能かもしれません。
 しかし、弁護士や司法書士はまだある程度必要だと思います。
 裁判所の事務方、弁護士事務所のパラリーガルなども、まだまだ必要でしょう。問題はここは絶対聖域みたいな部分がデジタルにできなくても、何とかそれ以外のものはデジタル化し、省力化して効率を図るべきです。頼る方も人間がやるからではなく、デジタル化の書式などは自分で勉強するべきです。その過程で問題も冷静に整理できるでしょう。
 役人や法曹にかかる人は、基本真面目に決められたルールを守ります、先んじて、法律や仕組みを変えることを企図しないとどんどん硬直化します。デジタル化も最も最後になって、それまで税金を消印し続けるのではもったいないです。

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