
帯の煽りが良いのか結構売れた本のようです。内容は、良く細かいところも調べてはいます。
60歳の還暦、定年にジンと来ていたのもつかの間、あっという間に後輩たちも還暦を迎える報を受け、次は雇用延長も終了?の企業が増える65歳を迎えようというのが私たちのの世代です。
学校を卒業してから勤めだし、定年延長まで働いた人は確かに大きなターニングポイントになる65歳ですし、体力的にも自営業などの方もそろそろ事業を継承や引退を考える時期です。そういう世代、あるいはその手前の方、もう過ぎている方にも大いに参考になる、働き方、生き方の本です。
この本は1985年生まれのエコノミスト、アナリストによるもので、こまめに分析されています。他の方のレビューでも見かけましたが、やや男性目線の話が多いと指摘されています。しかし現在の高齢者がかつて「男は仕事、女は家庭」が主流だった時代を生きてきている関係もあるである程度仕方のないところでしょう。
あと10年もすると、専業主婦の割合は増えだし、今の若い人が高齢になった時は世帯の年金や働き方としては男女がかなり似かよってきます。
ルポ、体験談などは自分も経験してるし、見聞きしているのでそう目新しいものばかりではないですが、統計値を見ての論説にはうなるものがいくつかありました。
形はどうあれ70代でも働いている人の割合が半分近いのには驚きました。裏を返せば半分ぐらいは働いていないのです。年金や家族の扶養、貯金の食いつぶしで生活しているということです。ごく当たり前のことですが、なるほどそういう割合なのかと思います。
70歳をすぎて、ゆとりのためならいざ知らず、生活費のために働かざるを得ないのも厳しいなあとも感じていましたが、働かないでも食べていけるから絶対幸せで居場所があるかはわかりません。
高齢、この年齢になって、さらに70代、80代で、居場所というのか、終の生き方を見つけるのが大事なところです。
私自身は大企業を60歳で延長せずに定年退職し、その後公務員のような仕事にありついています。化粧品のメーカーからは随分変わった転換をしているように思われますが、60代手間から、随分と「働く」ことへのプレッシャーは減り、自分を見つめ直す機会に恵まれたのは、この本に書かれている通りで決して非凡ではないとも感じました。
とくに若い頃は、目の前の仕事を必死に頑張る藻は大事ですし、そうしないと食っていけません。それでも将来を見据えて何か自分で学び、身に着けていくことは大事だと思います。学生時代から社会人になっても勉強して、身に着けたことは必ず何か後で役に立つ、損をすることはないと思っています。