令和と元号が変わった5年前、私も60歳で定年を迎えて、仕事を変えて京都市伏見区の区役所に勤めていた頃、世にも恐ろしい凄惨な事件が起こりました。
京都アニメーション放火殺人事件(きょうとアニメーションほうかさつじんじけん)は、2019年(令和元年)7月18日に京都府京都市伏見区で発生した放火殺人事件です。アニメ制作会社「京都アニメーション」の第1スタジオに犯人の男が侵入し、ガソリンを撒いて放火したことで犯人も瀕死の重傷を負い。若いクリエーターはじめ社員36人が死亡しました。この事件は1938年(昭和13年)に発生した津山事件の犠牲者数30人を超えて、戦争を除く、明治時代以降の事件において日本で最多の犠牲者数となっています。会社の本社がある京都府宇治市の公園に、事件を伝える碑が5年を経た今月完成しました。
事件の記憶を長く伝える象徴としての碑が完成したのは、事件の現場ではなく、京都府宇治市の「お茶と宇治のまち歴史公園」です。
碑文には「夢と情熱を人から人へ。私たちの途切れることのない未来への羽ばたき」などと刻まれ、亡くなった36人を表す36羽の鳥が羽ばたく様子がデザインされています。
京都アニメーションのクリエーターがデザインを手がけ、従業員の代表者のメッセージとして「一羽一羽の鳥たちがたくさんの方々のおもいを届け、つないでいくという気持ちを込めています。おもいを寄せる象徴となることを願っています」などと報道で紹介されていました。
命の重さに変わりはありませんが、私も含めて高齢に差し掛かった者でなく、20代、30代のこれから人生を謳歌する世代が36名も理不尽に業火で焼かれ命を奪われたことには、本当に怒りと悲しみを禁じ得ません。
何を教訓にし、どう運命を受け容れれば良いのか遺族の方の嘆きもいくばくか。
裁判が京都地裁で、多くの傍聴希望者や報道関係注目の中結審し、大阪高裁へ控訴されました。
わずかな救いのように、新たなアニメーションの秀作が、後継者から創作されていいます。令和の5年間を経て、無念の魂が宇治の緑の公園で慰められ、羽ばたいているかのようです。