公務と漢字

 民間企業だから、人の名前を雑に扱っていいということはないのですが、公務というのは戸籍や住民票で身分の確認をすることが多く、漢字は知識がないと厄介です。
 個人情報や用語だけに限らず、官報や公示などは、漢字が間違っては特定ができないため間違いは許されません。
 それにしても日本の漢字の種類の多さには驚きます。アルファベットが26文字で、中国でさえ簡体字として漢字を絞っているのに、常用漢字だけで2,100以上の字がある上に、人名漢字としても1,000字ほどが通用し、これでも読み書きが大変なのに、異体字や外字は無数にあります。
 画像の「ハシゴ高」や「立ち崎」と言われる異体字、斎藤さんや渡邊さんの「斉」とか「邉」はもういろいろあって、どれも微妙に違います。
 さらに点があるない、撥ねるつながるなどの違いや、フォントや書体によっても変わり、明らかに変わってくる同字もあれば、意味の違う別の字もあります。
 日本も一時期漢字を簡略して、統合していく流れもあったようですが、日本のIT、ワープロ技術が難しい漢字、異体字や外字、誤字に近いようなものまでフォントに再現できるようになり、昔酔っぱらったオヤジが書き間違えたようなものまでパソコンで打てるから放置されています。
 しかし、マイナンバーで特定できる時代に、結局はムダな書類の確認が必要が続いており、個人情報の流出の機会が増える危険は増えるのですが、変な異体字などの漢字が多く生き残っているため、それを確認、入力する公務が複雑なままです。
 デジタル化でなかなか消えない公務系の無駄の一つです。これを文化ととらえる向きもありますが、古典的な価値とは別問題で、「源氏物語」や「能・狂言・歌舞伎・文楽」を否定するのではなく、それはそれで好きな人が極め、読めばよいのであって、公務には漢字はこれだけ、この字を使って、マイナンバーを添えてでいい訳です。極端に言うと、誤読の可能性のある漢字なしで、カタカナ+マイナンバーで手続き可能で良いのです。
 役所の人、公務員は真面目で頭もいい人も多いですが、誤字のチエックなどもすごく丁寧ですが、ここに疑問を持って、効率を上げようと言う人は少ないのです。それはそれで真面目の困った点です。

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