14日午前、オリンピックの選手の表敬の翌日、終戦記念日の前日のタイミングで岸田総理が自民党総裁選挙に出馬しないと記者会見で発表されました。
いろいろと酷評され支持率も最悪の岸田さんですが。その記者会見は、淡々と3年間全力を尽くし、日本のトップリーダーとして働いてきたという自負と忸怩たる思いが伝わってきました。
組織のトップ、まして国のトップともなれば、その仕事の範疇と量は周りで見るだけのものではないです。「さまざま」「検討する」「聞く耳を持つ」だけとバカにされながらも、やってきた事は多いでしょう。国民の一人一人が満足した上で、政治の世界の中でコンセンサスが得られるかどうかで、総理の人気や評価は変わります。
岸田さんがこんな評価で、前の菅さんや安倍さん、麻生、小泉、福田さんらと比べ何かサボったり、悪いことをしたわけではないはずです。
「政治とカネ」裏金問題で政治不信が表に出るのは悪いタイミングでしたし、マスコミも含めそれを忖度され抑えきる人気がある人なら国民が知らぬままだったでしょう。それが表に出たのは国民にとって一歩前進、良いことでした。
岸田さん以外に誰を選べば良かったのか、次はこれから誰がやるのか、誰に未来を託すのかと言われると、多くの人が「誰がやっても変わらないだろう」と政治にあきらめのようなことを言われます。それならば、岸田さんを責める理由な何一つないでしょう。
「燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや」と言われます。
世襲で地盤があろうと、政治家になるだけでも大変な苦労です。まして私も含めて下々に代議士、大臣、総理の苦しむなどわかりません。
その中で志半ばかもしれませんが、未来の日本と自由民主党の行く末を考えての大いなる決断をした岸田総理、穏やかで泰然自若とし、これからも日本の政治に長老ではなく一兵卒として関わる気概を心地よく感じました。被爆地広島県選出の議員として、もっとやって欲しかったという地元の人と、厳しい内外の情勢でサミットはじめ良くやってくれたと言う人がやはりいます。評価が分かれるのは国全体でもそうでしょう。
在任中、なかなかうまく見せられなかった岸田総理の潔さ、意地のようなものが少し見えました。