エスカレータやエレベーターの技術やデザインというのは、技術系の人やメーカーやメンテナンス会社の人の話を聞くとなかなか面白い。
多くの大人の事情で経済も動いているし、それに合わせて技術も進歩するが、家電などと同じくメンテナンスフリーにすると、メーカーもメンテの会社も儲からない。陳腐化して買い替えたり、定期メンテで成り立つ会社もあるわけです。
1970年の大阪万博に、当時としては画期的な1階から4階まで直行するスカイエスカレータ(写真左)と、この館内には260人乗りの世界最大級のエレベーターが日立グループのパビリオンにありました。
今でも日本で実用のの最大人数のものは80人程度などで、なかなか54年前でスゴイ技術です。
エレベーター、エスカレータはこのUFOのようなユニークな建物同様、建物や施設とともにデザインされていたのです。
高層建築はピラミッドや五重塔など、随分昔から建設可能な技術を持っていました。しかし、ある程度高層になって居住や仕事をするには、別の技術の開発を待たないと言えKなかったのです。
エンパイアステートビルというのは1931年から1970年まで世界一高い建物で、子供にとっても有名な高層建築でエベレスト(現チョモランマ)とともにの高いものの代名詞でした。そのエンパイアステートビルがオフィスビルとして機能するには、当然空調とエレベーターは必須の機能だったのです。高いだけの、展望台なら作れても、空調とそれだけの高さのエレベーターは、技術的にもなかなか建築士を悩ませたのです。
昔は大きな建物は、総合的なデザインを建築士がライフワーク的なロマンにして、デザインを描いていました。
エレベーターやエスカレータという機能も当然作り付け、既存品ではなく特注的なオリジナルが全てでした。
しかし、現代の多くの建物、エスカレータやエレベータは画一した企画のものをそこにハメるだけです。
安全性やバリアフリー機能などの面での注文が増え、自然で美しいデザインも、回遊しやすさとか機能や使い勝手はあまり考慮されていません。
駅などは「急ぐなら階段で」とエスカレータの2列のどちらかを空けるのはどうだ、非効率とか、言われていますが、階段に回るにもひどく遠回りや混雑になったりしていまいます。これは駅を作る時点でデザインされいないからです。
駅、病院などはバリアフリー化は義務化されていますが、遅いエスカレータにイライラして歩き出す人、駈けだす人も多く、これはこれで危険ともされます。
手すりをもって、立ったままにしてもらうなら、何かその仕掛けを無理なくできないものかと思います。
技術系、理工系の人に聞けば、速度を上げるとかそれが無理なら、1段を高くして登れないようにするとかは出ます。
せめてソフト面で、そんなにイライラせず、映画や漫画のような30秒ぐらいで見れる宣伝物でも流せば落ち着くのか、WIFIフリーにしてそこだけはスマホ見てればとかにしてもと思うのですが。
1970年から50年以上経って、あまり進歩もせず、垢抜けない21世紀の街と建築だと、建築士が嘆く通りです。そのにはやはり、法律とか、世論、経済というか大人の事情があるのでしょう。