リーダビリティに優れたSF(ミステリ)でした。
高齢者施設で生活する老人の痴呆か集団記憶喪失か壮大な陰謀?はたまた妄想?にとりつかれた老人達の大脱出劇なのか。
SFファンにはうれし懐かしロボット三原則や、今の着目されるGPT,AIによる超管理社会…といったSFモノではよく見かける材料を上手く調理して謎解きに使っている印象でした。
それにしても今のAIって3原則真面目に守るのか、そうでないとアンドロイドが叛旗を翻して人類を襲うキャシャーンみたいな世界になるか。
AIがもう20世紀末から、チェスの王者を脅かし、今やクイズだろうが以後、将棋だろうがAIの方が上の時代です。
藤井聡太だ、大谷翔平だといってても、やがてそれをはるかにしのぐ頭脳と体力を持った改造人間やアンドロイドが、席巻する時代が来ないとも限りません。オリンピックなども、今は人種や国籍、性別がとかいっているけれど、やがて倫理を上手く超えて、改造能力を持った人間でなければメダルを取れない時代になるでしょう。
というか今、国威掲揚のためには、身体能力の高い外国人を帰化させて、オリンピックやワールドカップに出場させています。国内スポーツでも越境や養子縁組国籍獲得もザラ、もちろん法律は守られていても、問題と思えるケースも多いように思います。
そんな中で、AI側、開発側の倫理が守られないと、近未来は人口も減って、この話のように恐ろしいことになりそうです。