1964年開業で60年も経つ東海道新幹線ですが、東京~名古屋~大阪を結ぶ大動脈なのは変わりません。
トンネルは以降の新幹線より少ないため、浜名湖や富士山など眺望も素晴らしいです。
建設当時まだトンネルの工法も大型のシールドマシンがない時代でした、路盤もスラブ軌道の技術が確立しておらず、全線バラスト軌道で盛り土に石がしきつめてあるのです。
このため、雨や雪に弱いのです。
同線の降雪区間である関ヶ原も、開通直後の冬以来雪対策に頭を悩ませていました、長期間の運休を伴う大規模な改修工事は事実上不可能であり、現在もそのまま運用されているのです。
未対策の冬季には、関ヶ原通過後、長距離にわたって氷塊の落下による石跳ねで窓ガラスの破損事故が多発したため、初期には前後の駅で氷雪のかき落としを行った。現在は、過去の被害状況を元にバラスト飛散防止シートが敷設されています。
そして、ここへ来て大雨による雨量基準で運休ということも増えてきました。盛り土やバラストの弱点です。
トンネルが少ないと、強風による倒木や架線の切断でも運休はありますし、南海トラフの津波にも警戒しないといけません。かつて、最初の東京~大阪を結ぶ鉄道を東海道にするか中山道にするか議論された、東海道の弱点がここへ来て注目されています。
なお、後年に建設された山陽新幹線以降は区間によってスラブ軌道が採用されている。雪国を走る東北・上越・北陸新幹線はスラブ軌道主体で建設された上、融雪用の温水スプリンクラーも完備しています。
北陸新幹線の東海道代替ルートが今回話題になっていますが。車両数や時間も含めて、東海道をカバーするほどではありません。リニアというのにはもちろん、いくつか賛否や補償など問題もありますが、東海道新幹線が60年以上経って70年、80年と使い続けられるかというと、難しいのも厳然とした事実なのです。