改札でクレカタッチ決済始まり、鉄道ICカードの危機

 電車に乗るのにかつては、切符を買うのが当たり前で、それを駅員さんの眼で確認して、開札鋏という独特のハサミでパンチを入れていました。切符を確認するのに、混雑する駅では大変な人員がいり乗客もそれでも長蛇の列を作り待たされました。
 阪急は開発した自動改札は、当時未来が実現したような画期的な機械でした。
 そして磁気カードの回数券や定期券も生まれたかと思うと、やがて磁気切符さえ古くなり、ICカードでの乗車が主流になっていました。
 JRや私鉄大手のグループの交通系ICカードは一つの業界、事業となりましたが、今度はクレカやQRコードの新たな波が、ICカードの城さえ呑み込んでしまいそうな勢いで現れています。

 ポイントカードやクレジットカードもいくつかに統合され、大手クレジット系は何と言ってもグローバルな大企業です。日本の鉄道系は世界から見ると、その技術も市場も小さく特殊なガラパゴスといわれるものです。元々、欧米では駅には改札で検札して入場するところが少なく、日本人が見れば無賃乗車しやすく見えますが、既定の切符を買わないとペナルティが重いので、車内の車掌に見つかるととんでもないことになります。

 そんな文化、社会の違いがあるので、自動改札機は日本ほど進化していませんでした。それでもカードタッチでもキャッシュレス決済が増える時代になり、欧米でも切符のやり取りをカードやQRコードにするようになってきたのです。
 黒船襲来に、日本の交通系ICカードは戦々恐々で、連携を模索もしつつ、自社カードの囲い込みサービスを強化しています。
しかし明治以来の日本の産業は、ガラパゴスと揶揄されてもいますが、日本市場で厳しい品質管理、技術革新を繰り返して、世界的にも優れたものです。日本は極東の島国という条件を利点にしてテスト的なマーケティングができ、市場規模もそれなりに採算のとれる大きさだったからでしょう。
 少子高齢化を切り抜け、国際競争をしながらも、景気を上げるようなアイデアとクオリティの高い技術力で、これからも得意な分野で輝くのが日本の道です。

 割引サービスや限定旅行プランなど、新たな旅のキッカケになるような企画はそれなりに楽しいです。
 まあ何だか時代の変遷を感じて、QRコード決済使いながらも昔の硬券切符を懐かしく思う世代です。

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