関西万博が来年に迫り、その後は。北陸新幹線の新大阪延伸、東京から名古屋、大阪へ新しい超高速鉄道リニアモーターカーの中央新幹線も企図されています。
東京オリンピックに続き、昭和の高度経済成長期をなぞるのはお金の無駄だと言う人もいそうです。東海道新幹線も、できるまでは東海道本線があるから要らないじゃないかとも言われていました。
それが現代では5分おきに満員に近い人を乗せて奇跡的な運行をする世界で最大の輸送量で安全な高速鉄道となっています。東海道新幹線が60年前いや40年前でさえ、ここまで高頻度で運転され多数の乗客が乗るドル箱になるとは思われていませんでした。
海外、アメリカでも公共事業に関して議論があると、ゴールデンゲートブリッジやフーバーダムについて、当時の人々が語ったネガティブなことが例に挙げられます。建てられた当時は、多くの人がそれを単に無駄遣いだと言いました。
しかし、築後70年以上たった今、フーバーダムは、年に100万人以上の訪問客を惹きつけています。ダムがなければ、ラスベガスは、影も形もなかったと言われています。
ゴールデンゲートブリッジがなければ、サンフランシスコの経済は、はるかに小さなものとなっていたそうです。
品川と名古屋・新大阪が1時間弱で結ばれるリニア新幹線は、首都圏と中京圏、関西圏とその周辺がメガ都市圏となる想像を絶する経済効果、社会の変革を産むポテンシャルを持っています。今の首都圏でさえ、世界一の人口の都市圏ですが、関西圏までつながると空前絶後の規模になります。地方への整備新幹線や、本四架橋、青函や関門トンネル、東京湾アクアラインよりもはるかに多くの人間、企業が恩恵の対象となる公共事業です。
つまり、公共事業というのは、自分が乗れる、今の世代が使えるかどうのこうのより、将来世代に投資していることになるのです。それが公共事業の定義です。
そして、何よりも雇用や景気の対策になるのが、取り急ぎの公共事業の役割です。そんなことより、「低所得層に回す手当や減税」と野党や左翼系、体制批判の向きの方がよく言います。共産党などは選挙の度にそう言いますが、雇用を守り、賃金を上げて分配する効果的な対策はこれ以上ありません。公共事業は多少の当たりはずれがあっても、多くは後世に残ります。
しかし、中間所得者に場当たりの給付や手当をしていても、節約が少し緩む程度で、大した効果はなく、その場で終わるのです。賃金を物価以上に上げるには、景気が上がり、多くの方に働いててもらう機会を増やすしかありません。もちろん、災害の被災者支援や働けない方への福祉は必要ですが、そこは精査して働ける人が働けずにお金を貰うのではダメでむしろ無駄遣いの癖を止めてもらう方が良いに決まっています。コロナの給付金が、高齢もあるでしょうが自営業の勤労意欲を奪い、結果的には倒産を増やしたのと同じです。
公共事業への投資は、今見える部分だけではなく、雇用の基盤の底上げと、未来世代へのためのものなのです。
万博の施設やトイレが後は無駄になるとか、小さな問題を大きくする人がいます。
リニアや新幹線も水の問題とか、トンネルの安全、環境や自然への評価などはもちろん、ちゃんとしないといけません。そこで喫緊で不利益を被る人は当然補償されるべきことです。
ところがその延長で、どうせ自分は行かないし要らない、今さら乗らないし大金かける必要ないというのを混ぜて議論することではないのです。
リニアが絶対的な解かというのも現時点では証明できませんが、すでに多くの検討、実験を重ねてやると決めて進んでいくことですから、補償や環境評価は早く済ませ、時間をかけずに経済景気のためにも未来の日本のためにも一日も早くゴールデンゲートブリッジを作るのです。