アンジェラ・アキのヒット曲「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」をモチーフにした小説と、その映画化です。
元々、この歌いつまでもみずみずしい青春を呼び戻せる神曲だと思いますが、2008年なのでもう16年前にもなります。
そして、この本と映画が少し経った2015年で10年ほど前です。コードブルーでブレイクした新垣結衣が主演という、まさにこの物語の男子生徒と同じ鑑賞の仕方で入った人も、ガッキーを忘れる感動で映画館を涙しながら出てきたそうです。逃げ恥で大ブレイクする直前の新垣結衣と、15歳の中学3年の生徒役で、その後朝ドラや映画でも活躍中の葵わかな、恒松祐里、佐野勇斗らが若い姿で出ています。【以下ネタバレ 今さらの古い作品ですが】
彼らの成長した姿を見るだけで、もうタイムスリップした感じです。モチーフへの15歳へ手紙、30ぐらいの大人になった新垣結衣演じるピアニストの産休代替教師の思いもあるのですが、彼女自身最後みんなに見送られながら五島を旅立つ、これからの人生まだまだどう生きるのかと気になります。
小説は生徒の人間模様がもう少しいろいろ描かれていますが、映画はガッキーの悩みを深く掘り下げています。
自閉症の兄のために、生徒たちが大会後に歌う姿は共通の感動を呼びます。涙ぐみ必至の場面です。
映画はあと、長崎、五島の自然が素晴らしくキレイです。
いつか旅したくなると思います。大きなクリアな画面で再生したくなる映画です。
そして、やはり原点となった アンジェラ・アキの歌詞。
そういつの時代も悲しみは避けて通れない。苦くて甘い今を生きている。
15歳の倍の30歳の、未来の自分に、逆に昔の自分に手紙を送った、そのさらに倍以上の時を経ても、人生に全ての意味があり、苦くて甘い今があるのです。
また若い頃の悩んでいた自分に手紙を書きましょう。今さらやり取りできないと思わず、きっと何かいい返事が来るような、気づきがあります。