鉄道路線名はどのように名付けられているのかを分類しながら、紹介している本です。
長くなるので、目次の全路線は書かずにカットしようかと思ったのですが、どこも面白いのでだらっと書き流します。
◎目的地、それとも起点 ―起終点名をとった線名
○根室本線―延伸して釧路本線から改称
○函館本線―何度も峠を越えるが今や廃止の危機
○留萌本線―消えゆく「最短」の本線
○阪急宝塚線―私鉄の経営モデルの老舗
○福知山線―舞鶴鎮守府を目指す阪鶴線がルーツ
○鹿児島本線―かつては球磨川を遡っていた
○長崎本線―佐世保近くを迂回していた旧線
○つくばエクスプレス―「本名」は常磐新線
○奈良線―奈良県を走らない理由は
◎この町を通ります ―主な経由地をとった線名
○山田線―一部三陸鉄道移管で山田へは行かず
○赤穂線―山陽本線のバイパスを目指した
○飯田線―四社が手を繋いだ長い「国電」
○木次線―危機に瀕するスイッチバックの聖地
○香椎線―石炭運搬線の博多湾鉄道からJRの近郊線へ
◎この地方のために ―広域地名をとった線名
○東北本線―奥州を長駆する北の主役
○山手線―「田舎」に敷いた線路も今や都心線
○内房線・外房線―何度も線名を変えた路線
○富山地方鉄道―戦時体制が生んだ「地鉄」
○関西本線―私鉄の社名をそのままで国有化
○近鉄南大阪線―河陽→河南→大阪鉄道→関西急行→近鉄
○湖西線―江若鉄道の廃線跡をたどる高速線
◎信濃と越後で信越本線 ―国名またはその合成による線名
○石勝線夕張支線―平成最後に廃止された路線
○磐越西線―磐城国から越後国へ
○羽越本線―酒田線と信越線がルーツ
○両毛線―上野+下野でなぜ「両毛」なのか
○南武線―「多摩川砂利鉄道」は今、タワマンの街を走る
○紀勢本線―日本で最後に全通した「本線」
○予讃線―讃予線をひっくり返して
○伊予鉄道―最古の七六二ミリ狭軌を走った坊っちゃん列車
○日豊本線―ルートと線名が何度も変わった
◎東京と横浜で東横線 ―地名を合成した線名
○五能線―「途中駅」を合成した?
○八高線―起点と終点の頭文字をつなぐ
○京浜東北線―首都圏を南北に縦断する「系統名」
○東武東上線―たどり着けなかった上州
○北陸鉄道金名線―あまりに遠かった目的地
○阪和線―戦前に日本一速い「超特急」を運行
○福塩線の「塩」ってどこ?―福山から「無名の終点」を目指す
○高徳線―幻の「電気軌道」がルーツのJR
◎主要な街道に沿って ―五畿七道と街道に由来
○東海道本線―五十三次は今も国の主軸
○北陸本線―北陸道に沿う日本海縦貫線
○山陰本線―出自の異なる複数路線を併せて
○山陽本線―瀬戸内海の船便に対抗して
○南海電気鉄道―五畿七道から命名
○参宮線―「お宮参り」が線名になったJR
◎川、城、住宅地 ―その他いろいろな線名
○中央本線―本州のまん中を通る
○東武アーバンパークライン(野田線)―“都市公園”線?
○東急田園都市線―渋沢栄一が夢見た田園都市の系譜
○大井川鐵道―電源開発とともに生きる
○名古屋市営地下鉄名城線―初めて「右・左回り」を採用した環状鉄道
○西武鉄道の各線―戦後にことごとく改名
○東京の地下鉄路線―多くが都心地名を名乗る
本線と支線も今や形骸化してますが、途中の駅を線名にしているかと思えば、起終点の合成などや、地域全体の名前など統一感がないのが面白いです。福塩線のように小駅でも起終点に拘ったケースもあるのに、仙山線などは山形でなくともOKなのも一貫性のない路線名です。
東海道本線がかつては今の御殿場線経由だったように、北陸本線、山陰本線、鹿児島本線なども旧線や支線になった区間がありまます。さらに平行して新幹線ができ3セク化されている線もあり、栄枯盛衰が激しいものです。
御殿場線も富士山が見事に見えますし、他でも3セクになった路線でも、普通から見える景色は良いです。
子供の頃から鉄道地図を見るのが好きでした。実際の縮尺ではない、デフォルメした分かりやすい絵図で、地名をよく覚えました。高校野球などで、各県の地名が出ると。どこにあるのか鉄道地図を探したものです。その地図から、その地方をイメージし、その駅や路線を想像したのです。
地図が読めないのは女性に多いとは言いますが、地図自体に慣れないのか、嫌いなのかその感覚はわかりません。方向音痴というのと、地図嫌いなのもどう結びつくのかよくわかりませんが、知り合いにはいろいろ迷う人がいます。最近は女子の鉄道ファンも増えて、平気に地図や時刻表片手に旅されています。
幸いか、鉄道地図が大好きだった子供は、それを応用して地理や歴史、文化を学び、全国どこでもあまり迷わないで、どんどん旅する大人になりました。