破産の実務を少しやっている中で、その原因も、さまざまに散見,いくつかに分類できます。ギャンブル依存症を診断書までつけての申し立てもありますし。アル中をはじめ買い物や旅行の中毒めいた浪費もまあ弁解の余地はないようで、ではどこまでが計画的な楽しみ方というと何となく偶然うまくいくような人もいるので難しいものです。
ひとつ歯車が狂うと、他の人は上手くしのげたものが、なかなか拙く重なってくるケースが破産につながるのでしょう。
病気も一因でメンタルも含め、仕事に就けなくなる、契約社員、自営やフリーランスでは満足いく保障、病気の有給、健康保険の傷病手当もありません。
中でも、厳しいのが「住宅ローン」「奨学金返済」です。広い意味では学費が高いこと、家賃や住居費が高いからなのでしょうが、私自身も、サラリーマン時代、マンション購入でそのローンを払いながら、二人の子供が大学に行く時期はハンパなく可処分所得が減りました。
それ以前には会社の事実上の債務超過もあり、何とか健康に働けて幸いでしたが、大変な時期が重なっていたらと思うとぞっとします。
学費、奨学金返済の破産などを見ると、日本の大学の奨学金がほとんど返済義務ありの貸与型なのを悲しく思います。
少子化はある程度しかたない現象とすれば、優秀な子の大学までの教育の無償化は政府が是非考えて行かないといけない問題だと思います。一部の自治体で高校無償化が実施されていますが、一部私学は反対するなど、既存の権益からいうと抵抗される場合があります。しかし、長い目で見ると、少子化でますます教育機関は要らなくなり、淘汰されるのは目に見えています。国立大学の統合なども進んでいますが私学も含めてもっと要らない教育機関を減らし、無駄な学費で負担の多い奨学金を無くすべきなのです。