「年収の壁」2 厚生年金106万撤廃は負担激増

 

「年収の壁」1 分断を増長する話 – 天使の星座

【私はどうも納得いかない!】
 マスコミの報道の在り方は酷い。
 マスコミというのは右寄り左よりあると言われていますが、結局大きなニュースは横並び、政府や検察、行政の言う通り、垂れ流しているだけです。少し考えれば両論併記の社説ぐらい書けるのに、勉強不足なのか隠蔽なのか。
 兵庫県知事選挙や、紀州のドンファン事件などは、派手に考察されても直接国民の負担にはつながらない喫緊でも何でもない話題です。
 兵庫県知事選挙も酷いも酷いと言われましたが、年金問題もそうです。「103万円の壁」が与党と、野党の国民民主党で段階的に178万円に引き上げることに合意したとされます。これでも随分の進歩と言われますが、物価の上昇からいうと当たり前の話です。
 こちらは、片方で税金を負担しない「年収の壁(103万円)」を、最低賃金に見合った水準に上げる議論を、希望のある見え方で、じゃんじゃん報道しています。ところが議論もなく、しれっともっと負担の大きい社会保険の壁をあげるどころか撤廃する、実質国民の手取り負担が増える仕組みがどさくさに通されるのです。
 補正予算が国会通過しましたが、与野党の談合の指摘は免れません。
 増えた厚生年金保険料で、在職老齢年金を拡大するとか、基礎年金の財源基盤に回して、将来の基礎年金を3割上げるとか体よくだます感じで導入が図られます。
決して、基礎年金がいきなり3割上がるわけでもなく、これは詐欺的表現です。
 しかも、当面保険料負担を減らす時限的スキームで、保険者や小企業を助ける策を講じると、煩雑なややこしいことを言っています。企業が負担すれば、それはそれで大変でパートは雇えません。

 「社会保障の壁」と言われる「106万円の壁」は、無くなれば、パートで小規模なところで働いている人は週20時間を超えれば、みんな厚生年金に入り、給与を労使折半で天引きされることになります。
 年金委員として年金機構の幹部とお話を聞いた際、106万の壁、130万の壁を引き上げて、扶養のしくみを守る気など、サラサラないのが良く分かりました。壁は所得に合わせて上げるのではなく、取り払うのです。ホンネは3号の主婦年金をほぼ廃止に追い込みたいのです。
 週20時間以上のパートも厚生年金となると、もう全くの専業主婦ぐらいでないと、3号被保険者になれない仕組みを数年で作っていくのが本音のようです。

 しかも、こんな負担増なのに、こちらは政党同士のしのぎ合いもなく、スルッと来年通常国会で決まりそうです。
 将来の年金が増えるから、長い目で見ればいいことではないかという方がいます、確かに92歳以上長生きすれば、理論上は払った保険料の元が取れ得をします。しかし相当長生きしても増える金額も期間もしれています。月8000円払うとして自分で積み立て運用したら、永遠にその差は埋まらないという専門家もいます。
 貰える厚生年金が少しだが増えると、そこを強調して、正攻法で国民にわかりやすく説明するならまだしもです。
 難しいのを盾にして、他の壁の報道に混ぜて、目くらましをして、強引に厚労省独走で、政治家も国民も無視して進めるとは何たる卑劣さかと思います。

 実際に、年金が増えて得をする人が少なく、長く待ってもあまりにも金額も少ないケースが多い割に、今現在の手取りは増える、悪法、あくどい制度もいいところです。

 まだ段階的な導入年など細部は決まったわけではないですが、早く反対のムーブメントを起こさないと大変なことになります。

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