芽郁ちゃんの赤血球、佐藤健の白血球様役で、朝ドラ「半分青いコンビ」が6年ぶり、そして芦田愛菜、阿部サダヲのマルモ親子は13年ぶりという復活、ということで、公開2日目に行ってきました、映画「はたらく細胞」です。アニメがあるので、実写版というべきか、実写映画オリジナルふんだんの人間パートがあり、フラッと見に行ったのですが大変面白いし、何と感動の内容でした。
【以下ネタバレ】にならない程度。
一部CGはあるにせよ、大型ショッピングモールやら、外国テーマパークなど、全国各地にロケを敢行され、エキストラも物凄い人数のようです。何せ、細胞ですから、その数スゴイものです。
そして、主演級以外はあまりチエックせずに観に行ったので、びっくりするほどの豪華キャストが、悪玉はじめコスプレやカメオ出演なみに出てくるのにもびっくりです。どれだけ、おんな漫画世界にお金をかけて作るのかと、感心しました。
深キョンに似たホステスみたいな肝細胞役がチョロッと出ると思いきや本人ですし、片岡愛之助、新納慎也さんも後からキャスト表で分かりました。
白血球を助ける、キラー細胞の山本耕史、NK細胞の仲里依紗がアクションもカッコよく、何をやらせても器用な演技で良かったです。もちろん、るろうに剣心なみのアクションの佐藤健も、成長したすずめ芽郁ちゃんを『俺が守る』と白塗りしながらもこれまたすごく決まるし、いい。
人間パートが何といっても、原作にもアニメにもないゾーンで、割合は少ないのに、引き付けられる。阿部サダヲがもう「ふてほど」と同じ父子家庭で定番一流芸ダメダメオヤジので、身体を壊していくかと思えば、「最高の教師」「さよならマエストロ」同様、優等生愛菜ちゃん演じるニコの手作り弁当などで改心、立ち直ります。その過程の脱糞寸前、切れ痔などの、細胞描写とのパート転換が面白い。かと思えば、ニコ役芦田愛菜「最高の教師」では虐め役の加藤清史郎が誠実な先輩彼氏で、デートまで行ったのに、浮かれるのもつかの間、こんどは急転直下、倒れてニコの身体は白血病で瀕死、怒涛の展開へと。抗がん剤の投与は細胞世界では、全てを焼き尽くす空爆、ラスボスの白血病細胞はFukase怪演でした。佐藤健の弟ながら、善良な白血球になれなかった恨みを爆発させます。健気に酸素を運び続ける芽郁ちゃんの赤血球さん。
必死に死神と戦うニコを、阿部サダヲ父と、清史郎彼氏がガラス越しに思い出とともに応援する姿に、これは感動するのです。えっ?これ何ここまでやる。やつれた芦田愛菜も鬼気迫る好演ですし、ダメダメオヤジだった阿部さんの必死の演技も良いですし、
骨髄液移植で全てを入れ替えるため、どうせ自らは死んでしまうのに、それまでは何とか必死に酸素を運ぶ、芽郁ちゃんと板垣李光人の新人赤血球のあきらめない姿が、ニコ本人の回復に見事につながる。
あまりにも、こんな文章だとばかばかしい唐突なほどシュールに見えるものが、演技陣と巧な場面切り替えで繋がるのです。
CGも多く、人間パートと細胞パートで役者同士、細胞同士でも共演した印象はないようなキャスト陣が、試写を見てこうつながるんだとトークしているのが微笑ましくなります。
娯楽作品で、笑いあり涙ありです。