昔見ていた未来が住みにくい

 子供の頃には、テレビ電話など未来の話、まして腕時計にビデオレシーバーがついて顔を見ながら遠くの人と話ができるなど特撮SFの中での21世紀の話でした。

 いつの間にか21世紀になり、少し前まで遠方や海外の電話など高価な料金だったものが、今や世界中どこでも、家族や友人とテレビでしゃべり、写真はもちろん子供の成長などの動画もタダ同然で共有できます。
 もちろん、特撮SFのヒーロー、隊員のような防錆組織でなくとも、ごく普通の営業マンなどが、スマホを貸与され、GPSで位置情報を把握され、出退勤、定時連絡などを義務づけられています。カッコいいどころかとても気忙しい、窮屈な世の中になっています。

 銀行や金融機関、駅の窓口などの有人業務はどんどん減り、スーパーもかつてはパートの典型的業務だった「レジ打ち」係は激減して、セルフレジが増えています。
 バーコードが発達して、かつては値段を手打ちするという熟練が必要だったものが、誰でもできるようになっていましたが、もうそれをお客さんが、カメラ監視の下で自分でやらされる時代になりました。
 もうそれ以前に、スーパーの店舗へも行かず、ネットスーパーやオンラインショッピングも増えました。もちろん、リアル店舗での飲食などの消費、ウインドウショッピングなどはありますが、飲食やビューティ関連はネット予約、ファッションでさえリアルの色やサイズ、質感を確かめに店を覗きネットで買う人も増えました。

 今まで、あったルーティンな仕事、事務系や販売系、窓口業務は激減して機械やデジタルでできない、キツイ汚い、クレームが多いなど難易度の高い仕事が、賃金の伸びないまま残ってしまって、かつてバラ色に見えた、子供の頃想像していた未来、21世紀は働きにくい、住みにくい世の中になっているのです。
 労働条件や環境は、法律を始め改善されています。かつて、主婦の仕事が家電で楽になったように、本来はデジタル化で楽になるはずの仕事のはずが、どこかで間違ったのでしょうか、どうも窮屈で生きづらい世の中です。
 介護だとか、保育とか、消防、土木、バス運転手など、キツメの仕事は人材難であえいでいます。短期間でも高報酬にして、入れ替わりながらも誰もが働きやすくして、高給官僚やIT長者なんぞの高報酬をちょっと減らすだけで実現は可能なのではと思います。

 

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